サクッとJIS機械設計・配管計算ツール

シール

Oリング・Oリング溝寸法

JIS B 2401 のOリング(P・G)寸法とハウジング(溝)寸法を呼び番号から求め、つぶし率・充てん率も計算します。

  • JIS B 2401-1:2012
  • JIS B 2401-2:2012
01

条件

選び方

呼び番号(P20・G50 など)から、Oリングと溝の寸法を出します。

系列

P は運動用・固定用の両方に使えます。ただし VMQ(シリコーンゴム)のような機械的強度の小さい材料は、運動用に使用しないことが望ましいとされています(JIS B 2401-2 表3 の注記1)。

溝の形

ピストン・ロッドなど軸まわりの溝(運動用・固定用で共通)。

溝の位置

ピストン(軸)側に溝。Oリングの外周がシリンダ内径 D に当たります。

バックアップリング

高い圧力やすきまが大きいときに、はみ出し防止で入れます。片側加圧は1個、両側加圧は2個。

バックアップリングが要るかの目安(すきま 2g)

バックアップリングを入れずに使える、すきま 2g(規格の用語では直径隙間)の最大値です。すきま 2g がこの値以下ならバックアップリングなしでもよく、超えるときはバックアップリングを併用します。

バックアップリングなしで使えるすきま 2g の最大値(mm)
使用圧力 [MPa]硬さ 70硬さ 90
4.0 以下0.350.65
4.0 を超え 6.3 以下0.300.60
6.3 を超え 10.0 以下0.150.50
10.0 を超え 16.0 以下0.070.30
16.0 を超え 25.0 以下0.030.17

単位: mm(目安)。「4.0超〜6.3」は 4.0 を超え 6.3 以下の意味です。すきま 2g は直径の差です(ピストン型はシリンダ内径 − ピストンの外径、ロッド型は穴の径 − 軸径 d)。硬さはデュロメータ硬さ(タイプA)で、材料記号の数字(NBR-70-1 なら 70、NBR-90 なら 90)にあたります。

表の圧力の区分は 25.0 MPa までです。これを超える圧力では、バックアップリングの要否をメーカーの資料などで確かめてください。

JIS B 2401-2:2012(Oリング-第2部:ハウジングの形状・寸法) 表2 バックアップリングを使用しない場合の直径隙間(2g)の最大値(5.3 バックアップリングの要否判断) 準拠

シリンダ(内径 D)ピストン(溝底 d)溝幅 b = 3.2深さ 2
02

結果

Oリング P20(内径 × 太さ)

19.8 × 2.4mm

運動用・固定用内径 ±0.22・太さ ±0.09(NBR・EPDM の値)。内径の許容差は VMQ(旧4種C)・ACM で1.5倍、FKM(旧4種D)・HNBR で1.2倍です。

溝底径 d

20mm

シリンダ内径 D

24mm

溝幅 b(BU0個)

3.2mm

溝の深さ

2mm

溝底径 d(ピストン側)
20 0/−0.06mm
シリンダ内径 D
24 +0.06/0mm
溝加工深さのばらつき E
0.05 以下mm

軸心のずれは 0.025 mm 以下(E/2)

溝幅 b の許容差
+0.25/0mm
溝底の角の丸み R
0.4 以下mm
つぶし率(基準寸法)
16.7%

寸法許容差を含めると 10.8〜19.7%(偏心は含まない)

充てん率(バックアップリングなしの溝)
70.7%
溝底 d にはめたときの内径の伸び
1.0%
Oリングの外径(参考)
24.6mm

JIS B 2401-1:2012(Oリング-第1部:Oリング) 表5 運動用Oリング(P)の呼び番号、内径及び太さの基準寸法・許容差(材料による倍率は表の注) 準拠

JIS B 2401-2:2012(Oリング-第2部:ハウジングの形状・寸法) 表3 運動用及び固定用(円筒面)のハウジングの形状・寸法 準拠

寸法は JIS B 2401-1:2012 表5・表6(Oリング)と JIS B 2401-2:2012 表3・表4(溝)の値です(旧 JIS B 2406:1991 と同じ値)。

E は溝加工深さのばらつきで、規格の図の溝加工深さ K の最大値と最小値の差です(同軸度の2倍。JIS B 2401-2 表3 の注 a))。軸心のずれ(偏心量)に直すと E/2 以下です。

計算ロジック

ハウジングの d は呼び番号の数値、D は太さのグループごとに決まる D − d を足した値です。相手寸法から探すときは、ピストン型はシリンダ内径が D、ロッド型は軸径が d に合う番号を探しています。

D = d + (D − d) = 20 + 4 = 24 mm

溝の深さ = (D − d) ÷ 2 = (24 − 20) ÷ 2 = 2 mm

つぶし率 = (d2 − 溝の深さ) ÷ d2 × 100 = (2.4 − 2) ÷ 2.4 × 100 = 16.7%

充てん率 = (π/4 × d2²) ÷ (b × 溝の深さ) × 100 = 4.52 ÷ (3.2 × 2) × 100 = 70.7%

伸び = (当たる径 − d1) ÷ d1 × 100 = (20 − 19.8) ÷ 19.8 × 100 = 1.0%

d1
Oリングの内径
d2
Oリングの太さ
d, D
ハウジングの径(JIS B 2401-2 表3 の d3・d5 が d、d4・d6 が D)
b
溝幅(表3 の b1・b2・b3。バックアップリングの数で変わる)

つぶし率の範囲は、太さの許容差と溝の寸法許容差(円筒面は d・D、平面は深さ h)の両端を組み合わせた値で、規格の表に示されている範囲と同じ求め方です。実際には偏心やOリングの材料によっても変わります。伸び・縮みは基準寸法どうしの幾何計算です。

バックアップリングが要るかは、条件の欄の「バックアップリングが要るかの目安」(JIS B 2401-2 表2。使用圧力 25.0 MPa までの区分)を見てください。

03

図面用(図面指示・DXF)

図面指示の例参考

Oリング溝 JIS B 2401-2 P20(ピストン型・バックアップリングなし)
シリンダ内径 φ24 +0.06/0
溝底径 φ20 0/-0.06
溝幅 3.2 +0.25/0
溝底の角 R0.4以下
溝加工深さのばらつき E(K の最大−最小)0.05以下(軸心のずれ 0.025以下)
Oリング P20(内径 19.8 × 太さ 2.4)

数値は JIS B 2401-2:2012 表3 の値です。書き方(許容差の表し方・注記の位置)は社内の製図ルールに合わせてください。( )は参考寸法です。規格の表3 の図には、溝の口の両角の面取り C0.1〜0.3 と、溝の側面の傾き 0°〜5° も示されています。図面指示の例と DXF には入れていないので、必要なら書き足してください。

oring_groove_P20_piston_BU0.dxf

中心線から上の半断面を 1:1 で描きます(中心線は y = 0。溝底と相手の面の高さが半径)。溝の輪郭(OUTLINE)、中心線(CENTER)、寸法メモとOリングの断面(自由状態・NOTE)の3レイヤー。溝底の角は規格が最大値だけを決めているので、角は描かずに「R… MAX」と注記します。単位 mm。

04

P 系列の寸法表

円筒面の溝(運動用・固定用)。単位: mm。溝幅はバックアップリング 0 個の値。d は 0/−、D は +/0 の許容差。行をタップするとその番号を選べます。コピー・CSV には許容差などの列も入ります。

P 系列のOリングと溝の寸法表
呼び番号内径 d1太さ d2溝 d溝 D溝幅 bR 最大
P32.81.9362.50.4
P43.81.9472.50.4
P54.81.9582.50.4
P65.81.9692.50.4
P76.81.97102.50.4
P87.81.98112.50.4
P98.81.99122.50.4
P109.81.910132.50.4
P10A9.82.410143.20.4
P1110.82.411153.20.4
P11.211.02.411.215.23.20.4
P1211.82.412163.20.4
P12.512.32.412.516.53.20.4
P1413.82.414183.20.4
P1514.82.415193.20.4
P1615.82.416203.20.4
P1817.82.418223.20.4
P20(選択中)19.82.420243.20.4
P2120.82.421253.20.4
P2221.82.422263.20.4
P22A21.73.522284.70.8
P22.422.13.522.428.44.70.8
P2423.73.524304.70.8
P2524.73.525314.70.8
P25.525.23.525.531.54.70.8
P2625.73.526324.70.8
P2827.73.528344.70.8
P2928.73.529354.70.8
P29.529.23.529.535.54.70.8
P3029.73.530364.70.8
P3130.73.531374.70.8
P31.531.23.531.537.54.70.8
P3231.73.532384.70.8
P3433.73.534404.70.8
P3534.73.535414.70.8
P35.535.23.535.541.54.70.8
P3635.73.536424.70.8
P3837.73.538444.70.8
P3938.73.539454.70.8
P4039.73.540464.70.8
P4140.73.541474.70.8
P4241.73.542484.70.8
P4443.73.544504.70.8
P4544.73.545514.70.8
P4645.73.546524.70.8
P4847.73.548544.70.8
P4948.73.549554.70.8
P5049.73.550564.70.8
P48A47.65.748587.50.8
P50A49.65.750607.50.8
P5251.65.752627.50.8
P5352.65.753637.50.8
P5554.65.755657.50.8
P5655.65.756667.50.8
P5857.65.758687.50.8
P6059.65.760707.50.8
P6261.65.762727.50.8
P6362.65.763737.50.8
P6564.65.765757.50.8
P6766.65.767777.50.8
P7069.65.770807.50.8
P7170.65.771817.50.8
P7574.65.775857.50.8
P8079.65.780907.50.8
P8584.65.785957.50.8
P9089.65.7901007.50.8
P9594.65.7951057.50.8
P10099.65.71001107.50.8
P102101.65.71021127.50.8
P105104.65.71051157.50.8
P110109.65.71101207.50.8
P112111.65.71121227.50.8
P115114.65.71151257.50.8
P120119.65.71201307.50.8
P125124.65.71251357.50.8
P130129.65.71301407.50.8
P132131.65.71321427.50.8
P135134.65.71351457.50.8
P140139.65.71401507.50.8
P145144.65.71451557.50.8
P150149.65.71501607.50.8
P150A149.58.415016511.01.2
P155154.58.415517011.01.2
P160159.58.416017511.01.2
P165164.58.416518011.01.2
P170169.58.417018511.01.2
P175174.58.417519011.01.2
P180179.58.418019511.01.2
P185184.58.418520011.01.2
P190189.58.419020511.01.2
P195194.58.419521011.01.2
P200199.58.420021511.01.2
P205204.58.420522011.01.2
P209208.58.420922411.01.2
P210209.58.421022511.01.2
P215214.58.421523011.01.2
P220219.58.422023511.01.2
P225224.58.422524011.01.2
P230229.58.423024511.01.2
P235234.58.423525011.01.2
P240239.58.424025511.01.2
P245244.58.424526011.01.2
P250249.58.425026511.01.2
P255254.58.425527011.01.2
P260259.58.426027511.01.2
P265264.58.426528011.01.2
P270269.58.427028511.01.2
P275274.58.427529011.01.2
P280279.58.428029511.01.2
P285284.58.428530011.01.2
P290289.58.429030511.01.2
P295294.58.429531011.01.2
P300299.58.430031511.01.2
P315314.58.431533011.01.2
P320319.58.432033511.01.2
P335334.58.433535011.01.2
P340339.58.434035511.01.2
P355354.58.435537011.01.2
P360359.58.436037511.01.2
P375374.58.437539011.01.2
P385384.58.438540011.01.2
P400399.58.440041511.01.2

解説・よくある質問

Oリングの P と G の違いは?

P は運動用と固定用の両方に使える系列、G は固定用だけに使う系列です(JIS B 2401-2:2012 表3 の注記1)。ただし P でも、VMQ(シリコーンゴム、旧4種C)のような機械的強度の小さい材料は、運動用に使用しないことが望ましいとされています(同じ注記)。P は 122 サイズで太さが 1.9・2.4・3.5・5.7・8.4 mm、G は 46 サイズで太さが 3.1・5.7 mm です。

同じ数字でも溝の寸法が違うことがあります。たとえば P50 と G50 はどちらも d = 50 mm ですが、D は P50 が 56 mm、G50 が 55 mm です。取り違えると漏れの原因になるので、番号は系列の文字まで確認してください。

呼び番号(P20 など)の数字は何の寸法?

Oリングの内径ではなく、ハウジング(溝)の d の寸法です。P20 は内径 d1 = 19.8 mm・太さ d2 = 2.4 mm で、溝は d = 20 mm、D = 24 mm です。d はピストン型では溝底径、ロッド型では軸径、D はピストン型ではシリンダ内径、ロッド型では溝底径にあたります。

シリンダ内径や軸径から番号を選ぶには?

ピストン型(ピストンに溝)はシリンダ内径が D に、ロッド型(穴側に溝)は軸径が d に合う番号を選びます。たとえばシリンダ内径 30 mm なら P24・G25、軸径 30 mm なら P30・G30 です。数字が同じ番号(P30)がシリンダ内径 30 mm に合うわけではない点に注意してください。

上の「選び方」で「相手寸法」を選ぶと、P・G の両方から合う番号を探せます(G は固定用のみ)。

古いOリングの番号を調べるには?

内径と太さを測り、「選び方」の「実物寸法」に入れてください。太さを近い P・G の太さ(1.9・2.4・3.1・3.5・5.7・8.4 mm)に寄せて、内径の近い順に候補を出します。たとえば 24.6 × 3.5 mm なら P25(24.7 × 3.5 mm)が最も近い候補です。

使ったOリングはつぶれや膨潤で寸法が変わっているので、候補は目安です。溝の寸法(d・D・溝幅)も測って確かめると確実です。JIS B 2401-1 の P・G 系列だけを収録しています。同じ規格の真空フランジ用 V 系列(表7。太さ 4・6・10 mm)や、インチ系の AS568 などは、このサイトでは扱っていません。

つぶし率・充てん率とは?

つぶし率は、Oリングの太さが溝の深さまでつぶされる割合で、(太さ − 溝の深さ) ÷ 太さ × 100 です。P20 の円筒面の溝では (2.4 − 2) ÷ 2.4 × 100 = 16.7% になります。

JIS の溝寸法(JIS B 2401-2 の表3・表4)どおりにつくると、太さと溝の寸法許容差を含めたつぶし率は、円筒面で 7.9〜24.2%(偏心は含まない)、平面で 15.8〜31.8% の範囲に入ります(全サイズ)。充てん率は、溝の断面積に対するOリングの断面積の割合です。膨潤や熱膨張の逃げがあるかの目安に使います。

バックアップリングはどんなときに必要?

すきま(2g・直径の差)が大きいときや、圧力が高いときです。JIS B 2401-2:2012 の表2 では、使用圧力が 6.3 MPa を超え 10.0 MPa 以下のとき、硬さ 70 のOリングはすきま 0.15 mm まで、硬さ 90 なら 0.50 mm までがバックアップリングなしで使える値で、これを超えるときはバックアップリングを併用します(旧 JIS B 2406:1991 の表1 と同じ値)。圧力ごとの表は、円筒面の溝を選んだときに、上の「条件」の「バックアップリングが要るかの目安」で開けます。

バックアップリングを入れると溝幅はどう変わる?

バックアップリングの分だけ溝幅 b を広げます。P20 では、なし 3.2 mm・1個 4.4 mm・2個 6 mm です(許容差はどれも +0.25/0)。片側から圧力がかかるときは圧力と反対側に1個、両側からかかるときは2個入れます。溝の d・D は変わりません。

P10 と P10A のように「A」が付く番号の違いは?

A 付きは、A の付かない同じ数字の番号と d が同じで、ひとつ太いOリングを使う番号です。P10 は太さ 1.9 mm・D = 13 mm、P10A は太さ 2.4 mm・D = 14 mm で、d はどちらも 10 mm です。A 付きの番号は P10A・P22A・P48A・P50A・P150A で、D が違うので溝を共用できません。

平面溝の「内圧用」と「外圧用」の違いは?

内圧用は内側から圧力がかかる溝で、Oリングの外周が溝の外壁に当たるよう溝の外径が決まっています。外圧用(真空など)はOリングの内周が溝の内壁に当たるよう溝の内径が決まっています。P20 では、内圧用の溝外径が 24 mm、外圧用の溝内径が 20 mm です。深さ h は 1.8 mm、溝幅は 3.2 mm で共通です。

数値の作り方と確認の状況は編集方針・データの確認方法にまとめています。