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現場メモ

JIS 10K と 20K のフランジの選び方

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JIS B 2220 の 10K と 20K は、最高使用圧力・材料・寸法・ガスケット座が違います。区分 I の最高使用圧力は、120 ℃以下で 10K が 1.4 MPa、20K が 3.4 MPa。10K の表は 300 ℃まで、20K の表は 425 ℃まであります。20K には、表11 の SS 400 の行も、板フランジ(SOP)も全面座(FF)も無い。どちらにするかは、流体の温度での表11 の値が、配管の最高使用圧力に足りるかで決まります。10K で足りなければ、16K・20K など上の呼び圧力にする。

最高使用圧力(材料・温度・区分)

「10K」は呼び圧力の名前で、最高使用圧力そのものではありません。最高使用圧力は表11 にあり、材料グループ・流体の温度・区分で変わる。下の表は区分 I の値です。5K〜20K の区分 I は、炭素鋼もステンレス鋼も同じ値になっている。

表11 の区分 I の最高使用圧力(MPa。ゲージ圧)
温度(℃)10K20K
TL〜1201.43.4
2201.23.1
3001.02.9
350—2.6
400—2.3
425—2.0

10K は 350 ℃から「—」(規定なし)で、300 ℃の 1.0 MPa が最後の欄。20K は 425 ℃まで値があり、300 ℃でも 2.9 MPa です。20K の SC 480 は、表11 の注 a) により 400 ℃からの欄を使えず、350 ℃まで。亜鉛めっきをした白フランジは、20K でも 300 ℃以下で使います(箇条9)。

表の温度の間は、比例補間で求める(表11 注記5)。SCPH 2 で作った 100A の一体フランジ(IT)を、200 ℃の流体に使う例。

10K: 1.4 + (1.2 − 1.4) × (200 − 120) ÷ (220 − 120) = 1.24 MPa
20K: 3.4 + (3.1 − 3.4) × (200 − 120) ÷ (220 − 120) = 3.16 MPa

TL〜120 の欄を 120 ℃の値とみて補間するのは、このサイトの決め方です。補間した値の 0.01 MPa 未満を切り捨てるのも同じで、規格に決まりはない。

区分 II は区分 I に制限を加えたもので、種類・呼び径・材料で決まります(表11 注記3・表12)。このサイトの範囲(10A〜300A)では、10K はどの種類・材料も区分 I。20K のステンレス鋼は、SOH・BL の 150A〜300A の一部が区分 II になる。SUS F304 の 250A SOH なら、120 ℃以下でも区分 I の 3.4 MPa ではなく 2.0 MPa です。

JIS B 2220:2012(鋼製管フランジ) 表11 圧力−温度基準・表12 フランジの呼び径及び圧力−温度基準の適用・箇条9 準拠

この例を 20K の最高使用圧力のカードで開く(3.16 MPa)

材料とフランジの種類

20K の表11 には、SS 400・SF 390A・SC 410・S 20 C・SFVC 1・SCPH 1(材料グループ 001)の行がありません。10K には行がある。20K の表11 にある炭素鋼は、S 25 C・SF 440A・SC 480(002)と、SFVC 2A・SCPH 2(003a)です。ステンレス鋼(021a〜023b)は、10K・20K のどちらにも行があります。低合金鋼は、10K・20K の表に行が無い(30K・40K・63K だけ)。

フランジの種類と呼び径の組合せは表12 で決まっていて、板フランジ(SOP)は 5K・10K にしかありません。20K のスリップオン溶接式はハブフランジ(SOH)で、10A〜300A のすべての呼び径にある。10K の SOH は、このサイトの範囲(10A〜300A)では 250A・300A だけです。

JIS B 2220:2012(鋼製管フランジ) 表5 材料・表11 圧力−温度基準・表12 フランジの呼び径及び圧力−温度基準の適用 準拠

外径・PCD・ボルト・厚さ

同じ呼び径でも、20K は 10K より 2〜12 mm 厚く、50A からはボルトの本数か呼びも変わります。

JIS B 2220 の 10K(上の段)と 20K(下の段)の寸法(mm)。20K で 10K と違う値は太字
呼び径上 10K下 20K外径PCDボルト本数厚さ
10A90906565M12M12441214
15A95957070M12M12441214
20A1001007575M12M12441416
25A1251259090M16M16441416
32A135135100100M16M16441618
40A140140105105M16M16441618
50A155155120120M16M16481618
65A175175140140M16M16481820
80A185200150160M16M20881822
90A195210160170M16M20881824
100A210225175185M16M20881824
125A250270210225M20M22882026
150A280305240260M20M228122228
200A330350290305M20M2212122230
250A400430355380M22M2412122434
300A445480400430M22M2416162436

10A〜40A は外径・PCD・ボルトが同じで、厚さだけ 20K が 2 mm 厚い。50A・65A は外径と PCD が同じで、ボルトが 4 本から 8 本に増えます。80A からは、20K の外径が 15〜35 mm 大きく、ボルトの呼びも上がる(M16 → M20・M20 → M22・M22 → M24)。150A は本数も 8 本から 12 本に変わります。175A・225A は 10K だけにある。

JIS B 2220:2012(鋼製管フランジ) 表15 呼び圧力10Kフランジの寸法・表18 呼び圧力20Kフランジの寸法 準拠

ガスケット座とガスケット

ガスケット座の形は表8 で種類ごとに決まっていて、20K には全面座(FF)がありません。10K の SOP・SOH・SW・TR・BL は、FF・MF(はめ込み形)・TG(溝形)から選ぶ。WN・IT は平面座(RF)も選べます。20K は SOH・SW・TR・WN・IT・BL のどれも、RF・MF・TG から選ぶ。

JIS B 2404 の全面形ガスケットの表も 5K・10K・16K だけで、20K にはありません。リング形の内径は 10K と 20K で同じ。外径と平面座の径 g は 65A まで同じで、80A から 20K のほうが大きくなります。10K の全面座の SOP・BL は、250A 以上なら全面形のガスケットが望ましい(JIS B 2220 の 21.1)。

JIS B 2220:2012(鋼製管フランジ) 表8 フランジとガスケット座との組合せ・表13 ガスケット座の寸法・21.1 準拠

JIS B 2404:2018(管フランジ用ガスケットの寸法) 表6〜表8(全面形)・表9(リング形) シートガスケットの寸法 準拠

10K と ASME Class 150 の違い

ASME B16.5・JPI-7S-15 の Class 150(150LB)は JIS とは別の規格で、ボルトはインチねじです。厚さ t も書き方が違い、JIS は平面座を含み、Class 150 は含まない。このサイトの Class 150 の値は、規格原文とは未照合で、メーカーなどの公開資料を見比べた値です。

両方にある 15 サイズ(15A〜300A)で比べました。ボルトの本数が違うのは 80A・200A・300A で、10K のほうが 4 本多い。本数が同じでも、9 サイズは PCD が 5.1〜17.8 mm 違います。このサイトの目安(本数が同じで、PCD の差 3 mm・穴径の差 1.5 mm 以内)に入るのは、50A・65A・150A だけ。

50A は、Class 150 が PCD 120.7・4 本・ボルト 5/8 in、10K が PCD 120・4 本・M16 です。目安に入るのは、寸法が近くて見た目では区別しにくいという意味。組み合わせてよいという意味ではない。Class 150 の圧力−温度の値は、このサイトでは確かめていないので載せていません。

JIS B 2220:2012(鋼製管フランジ) 表15 呼び圧力10Kフランジの寸法 準拠

ASME B16.5-2017(Pipe Flanges and Flanged Fittings) の値(規格原文とは未照合)

JPI-7S-15-2011(石油工業用フランジ) の値(規格原文とは未照合)

Class 150 の寸法表と、10K と並べた表を見る

よくある質問

寸法許容差は 10K と 20K で違う?

表22 の寸法許容差は、呼び圧力では分かれていない。許容差の区分は、基準寸法の大きさで決まります。100A の WN・RF の厚さは、次のとおり(単位 mm)。

10K: 厚さ t − f 16 +1.5/0(16.0〜17.5)
20K: 厚さ t − f 22 +2/0(22〜24)

t − f は 10K が 16 mm、20K が 22 mm。20 mm を超える 20K のほうが、プラス側の許容差が +1.5 から +2 に大きくなる。外径の許容差は、どちらも ±1.5 mm です。

20K 100A(WN・RF)の寸法許容差を見る

10K を 20K に替えると、ボルトは何が変わる?

50A から、ボルトの本数か呼びが変わります。100A なら 10K が M16 を 8 本、20K が M20 を 8 本で、厚さも 18 mm から 24 mm になる。ガスケット 3 mm・座金なし・JIS本体のナット・突き出し 3 山で計算した長さは、次のとおり。式は、フランジの厚さ2枚・ガスケット・ナットの高さ・突き出し(3 山 × ねじのピッチ)の順に足しています。

10K: 18 + 18 + 3 + 14.8 + 3 × 2 = 59.8 mm → 60 mm
20K: 24 + 24 + 3 + 18 + 3 × 2.5 = 76.5 mm → 80 mm

メーカーの表と長さが違う理由は、「フランジボルトの長さがメーカーの表と違う理由」にまとめています。

20K 100A のボルト長さを計算する

10K薄形にも、表11 の最高使用圧力は当てはまる?

当てはまりません。10K薄形は表11 の対象外で、通常は 120 ℃以下・0.7 MPa 以下の静流水に使う(箇条9)。このサイトの寸法表とツールにも、10K薄形は載せていません。

JIS B 2220:2012(鋼製管フランジ) 箇条9・表11 注記1 準拠

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印刷用 早見表(A4・QR コード付き)