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現場メモ

図面の「φ20 H7/g6」の読み方

公開

「φ20 H7/g6」は、図示サイズ 20 mm の穴を公差クラス H7、軸を g6 で作って組み合わせる指示です。穴は 20.000〜20.021 mm、軸は 19.980〜19.993 mm。どう組んでも 0.007〜0.041 mm のすきまができる、すきまばめになります。

記号の意味(φ20・H7・g6)

φ20 は図示サイズで、穴と軸に共通の寸法です。H7 と g6 は公差クラスで、大文字の H7 が穴、小文字の g6 が軸を表す。古い版の JIS や資料では、図示サイズは「基準寸法」、公差クラスは「公差域クラス」。

英字は、公差の幅を図示サイズに対してどこに置くか(基礎となる許容差)を表します。H の穴は最小がちょうど図示サイズで、h の軸は最大がちょうど図示サイズ。g の軸は、h より細い側に寄る。

数字は基本サイズ公差(IT)の等級で、公差の幅を決めます。数字が大きいほど幅は広く、同じ等級なら図示サイズが大きい区分ほど広い。φ20(18 を超え 30 以下の区分)では、IT6 が 0.013 mm、IT7 が 0.021 mm です。

JIS B 0401-1:2016(製品の幾何特性仕様(GPS)―長さに関わるサイズ公差のISOコード方式―第1部:サイズ公差,サイズ差及びはめあいの基礎) 表1(基本サイズ公差) 準拠

最大・最小の寸法の出し方

図示サイズに上の許容差を足すと最大の寸法、下の許容差を足すと最小の寸法になります。φ20 の H7 と g6 は次のとおり。

穴 H7: 下の許容差 EI = 0
上の許容差 ES = EI + IT7 = 0 + 0.021 = +0.021 mm
最小 20 + 0 = 20.000 mm
最大 20 + 0.021 = 20.021 mm

軸 g6: 上の許容差 es = −0.007 mm
下の許容差 ei = es − IT6 = −0.007 − 0.013 = −0.020 mm
最大 20 − 0.007 = 19.993 mm
最小 20 − 0.020 = 19.980 mm

H の穴は EI が 0 なので、ES は IT7 の幅そのもの。g の es(−0.007 mm)は、JIS B 0401-1 の表4 から読みます。

JIS B 0401-2 の表には、こうして求めた上・下の許容差がクラスごとに載っている(H7 は表6、g6 は表21)。表を引くときは、φ20 なら「18 を超え 30 以下」の行を見ます。

JIS B 0401-1:2016(製品の幾何特性仕様(GPS)―長さに関わるサイズ公差のISOコード方式―第1部:サイズ公差,サイズ差及びはめあいの基礎) 表1(基本サイズ公差)・表4(軸の基礎となる許容差) から計算

JIS B 0401-2:2016(製品の幾何特性仕様(GPS)―長さに関わるサイズ公差のISOコード方式―第2部:穴及び軸の許容差並びに基本サイズ公差クラスの表) 表6 穴に対する許容差(H)・表21 軸に対する許容差(g) 準拠

すきま・しめしろと、はめあいの種類

穴の径から軸の径を引いた値がプラスならすきま、マイナスならその大きさがしめしろです。差が最も小さくなるのは穴が最小で軸が最大のとき、最も大きくなるのは穴が最大で軸が最小のとき。

穴の最小 − 軸の最大 = 20.000 − 19.993 = +0.007 mm
穴の最大 − 軸の最小 = 20.021 − 19.980 = +0.041 mm

どちらもプラスなので、φ20 H7/g6 はどう組んでもすきまができる。これがすきまばめです。すきまが 0.007〜0.041 mm のどこになるかは、仕上がった実物の寸法で決まります。

軸穴の壁と軸の境目(○)を拡大した図穴 H7軸 g6+0.0210−0.007−0.020①②0 の線: 図示サイズ φ20 mm① 最小すきま 0.007 mm② 最大すきま 0.041 mm
0 の線が図示サイズ(φ20 mm)で、上ほど径が大きい。帯は穴・軸の径が入る範囲で、許容差に合わせて同じ目盛りで描いています。上の断面は模式図です。

JIS B 0401-1 の定義では、穴の最小が軸の最大以上ならすきまばめ、穴の最大が軸の最小以下ならしまりばめ。どちらでもなければ中間ばめで、組む実物によってすきまにもしめしろにもなります。

φ20 の H7 と組む軸(JIS B 0401-1 図12 の枠内から。js6 は省略)
軸穴の最小 − 軸の最大穴の最大 − 軸の最小種類
g6+0.007+0.041すきまばめ
h60+0.034すきまばめ
k6−0.015+0.019中間ばめ
n6−0.028+0.006中間ばめ
p6−0.035−0.001しまりばめ
r6−0.041−0.007しまりばめ
s6−0.048−0.014しまりばめ

単位 mm。プラスはすきま、マイナスはしめしろです。

表の下の行ほど軸が太い側に寄り、すきまばめから中間ばめ、しまりばめへ変わる。

同じ組合せでも、はめあいの種類は図示サイズによって違うことがあります。H7/p6 は JIS B 0401-1 の図12 でしまりばめの列にあり、φ20 でもしまりばめです。ところが 3 mm 以下では、最大すきま 0.004 mm・最大しめしろ 0.012 mm の中間ばめになる。種類は組合せの記号だけで決めず、その図示サイズで確かめてください。

JIS B 0401-1:2016(製品の幾何特性仕様(GPS)―長さに関わるサイズ公差のISOコード方式―第1部:サイズ公差,サイズ差及びはめあいの基礎) 3.3.3 の定義・附属書B B.2 の式・図12 による

JIS B 0401-2:2016(製品の幾何特性仕様(GPS)―長さに関わるサイズ公差のISOコード方式―第2部:穴及び軸の許容差並びに基本サイズ公差クラスの表) 表6・表21・表22・表24・表25・表26・表27・表28 準拠

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