設計・換算
冷間圧延鋼板及び鋼帯の化学成分と機械的性質(JIS G 3141)
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- JIS G 3141:2017
計算ツール
材料記号(化学成分・機械的性質)
記号を選ぶか「s45c」のように入れると、その記号の化学成分・機械的性質と注を1画面にまとめます。同じ分類の前後の記号とも表で比べられます。
記号を選んで種類の記号と適用厚さ・調質区分(表1〜表3)
用途は、表1 の参考の欄に書かれた言葉です。規定ではありません。
下線の付いた記号を押すと、その記号の成分・性質と注を1画面にまとめたツールが開きます。
表1 の中の文 SPCC,SPCD 及び SPCE は,受渡当事者間の協定によって,適用厚さの上限を 6.0 mm としてもよい。
2021年版の改正原案では、この上限と協定の文が違います(原案の値は、下の「一覧の見方と注意」に書いています)。
調質区分(表2 調質区分,調質記号,適用する種類の記号及び規定)
| 調質区分 | 調質記号 | 適用する種類 | 化学成分 | 引張強さ及び伸び | 硬さ |
|---|---|---|---|---|---|
| 焼なましのまま | A | SPCC,SPCD,SPCE,SPCF,SPCG | 箇条 4 による。 | 5.1.1 による。 | 規定しない。 |
| 標準調質 | S | SPCC,SPCD,SPCE,SPCF,SPCG | 箇条 4 による。 | 5.1.1 による。 | 規定しない。 |
| 1/8 硬質 | 8 | SPCC | 規定しない。 | 規定しない。 | 5.4 による。 |
| 1/4 硬質 | 4 | SPCC | 規定しない。 | 規定しない。 | 5.4 による。 |
| 1/2 硬質 | 2 | SPCC | 規定しない。 | 規定しない。 | 5.4 による。 |
| 硬質 | 1 | SPCC | 規定しない。 | 規定しない。 | 5.4 による。 |
化学成分(表4)と引張強さ・伸び(表5)は、調質記号 A・S のものにだけ適用します。硬質材(調質記号 8・4・2・1。SPCC だけ)には規定がなく、代わりに硬さ(表7・表8)を規定しています(表2)。調質区分の指定が無いときは、標準調質(S)です(3.2)。
表面仕上げ(表3 表面仕上げ区分及び記号)
| 表面仕上げ区分 | 記号 | 定義 |
|---|---|---|
| ダル仕上げ | D | 物理的又は化学的に表面を粗くしたロールによる仕上げ。つや消し仕上げともいう。 |
| ブライト仕上げ | B | 滑らかに仕上げたロールによる仕上げ。平滑仕上げともいう。 |
指定の無いときは、幅 600 mm 以上で冷間圧延するものがダル仕上げ、600 mm 未満のものがブライト仕上げです。調質記号 A のものには、表面仕上げの区分を適用しません(3.3)。
鋼板・鋼帯には、1包装・1結束ごとに、種類の記号(付加記号を含む)・調質記号・表面仕上げ記号などを表示します(15 a)〜c))。規格の表示の例(参考)は「SPCC−S D」で、一般用・標準調質・ダル仕上げを表しています。
基本質量(表25 質量の計算方法)
表25 の基本質量は 7.85 kg/(mm·m²) で、厚さ 1 mm・面積 1 m² の鋼板の質量です。鋼板の質量の計算に使い、鋼帯の質量は実測します(表25・10.2)。比重・密度として決めた値ではありません。
JIS G 3141:2017(冷間圧延鋼板及び鋼帯) 表1(種類の記号及び適用厚さ)・表2・表3・15・表25(質量の計算方法) 準拠
化学成分(表4)
単位は %(溶鋼分析値)です。欄の文字は規格票の表のとおりです。表4 の化学成分は、調質記号 A・S のものに適用します。硬質材(調質記号 8・4・2・1)には化学成分の規定がありません(表2)。
表4 の中の文 必要に応じて,この表以外の合金元素を添加してもよい。
JIS G 3141:2017(冷間圧延鋼板及び鋼帯) 表4(化学成分) 準拠
引張強さと伸び(表5・表JA.1)
値は、調質記号 A・S のものに適用します。伸びは、厚さ(mm)の区分ごとに決まっています。
SPCC は、表5 で引張強さと伸びを規定していません。受渡当事者間の協定で SPCCT とした場合は、附属書JA(規定)の表JA.1 の値になります(表5 注 c))。左端の SPCCT の列が、その表JA.1の値です。
「—」は規定が無いという意味で、0 % ではありません。SPCF・SPCG の 0.40 mm 未満の区分は、表1 の適用厚さ(0.40 mm から)の外です。
SPCG の厚さ 2.5 mm 以上の伸びは、照合した 2017年版では「—」です。2021年版の改正原案では「47 以上」で、現行の規格票の値は確かめていません。
引張強さ・降伏点(耐力)は規格の試験で確かめる値で、「以上」の値は下限です。部品がその力まで耐えるという意味ではなく、設計では使う場面ごとの基準で決めた許容応力を使います。
伸び(%)
| 厚さ(mm) | SPCCT | SPCD | SPCE | SPCF | SPCG |
|---|---|---|---|---|---|
| 0.20 未満 | 23 以上 | 25 以上 | 27 以上 | — | — |
| 0.20 以上 0.25 未満 | 25 以上 | 27 以上 | 29 以上 | — | — |
| 0.25 以上 0.30 未満 | 28 以上 | 30 以上 | 32 以上 | — | — |
| 0.30 以上 0.40 未満 | 31 以上 | 33 以上 | 35 以上 | — | — |
| 0.40 以上 0.60 未満 | 34 以上 | 36 以上 | 38 以上 | 40 以上 | 42 以上 |
| 0.60 以上 1.0 未満 | 36 以上 | 38 以上 | 40 以上 | 42 以上 | 44 以上 |
| 1.0 以上 1.6 未満 | 37 以上 | 39 以上 | 41 以上 | 43 以上 | 45 以上 |
| 1.6 以上 2.5 未満 | 38 以上 | 40 以上 | 42 以上 | 44 以上 | 46 以上 |
| 2.5 以上 | 39 以上 | 41 以上 | 43 以上 | 45 以上 | — |
表5 の中の文 引張試験片は,5 号試験片圧延方向とする。
- 表5 注 a) 標準調質でブライト仕上げを行った鋼帯及び鋼板の伸びは,この表の規定値から 2 を減じた値とする。
- 表5 注 b) 適用厚さは,表 1 による。
- 表5 注 c) 受渡当事者間の協定によって,附属書 JA を適用してもよい。
- 表5 注記 1 N/mm² = 1 MPa
JIS G 3141:2017(冷間圧延鋼板及び鋼帯) 表5(引張強さ及び伸び)・附属書JA 表JA.1(SPCCT の引張強さ及び伸び) 準拠
平均塑性ひずみ比 r(表6)
平均塑性ひずみ比(r)は、SPCG だけに規定しています(5.3)。
| 厚さ(mm) | SPCG |
|---|---|
| 0.50 未満 | — |
| 0.50 以上 1.0 以下 | 1.5 以上 |
| 1.0 超え 1.6 以下 | 1.4 以上 |
| 1.6 超え | — |
SPCF・SPCG は、製造工場の出荷日から6か月間、非時効性を保証します(5.2)。非時効性とは、時がたっても伸びが表5 の値を下回らず、加工でストレッチャストレインも出ない性質です(5.2 の注1))。
JIS G 3141:2017(冷間圧延鋼板及び鋼帯) 表6(平均塑性ひずみ比 r)・5.2・5.3 準拠
SPCC の調質区分ごとの硬さと曲げ性(表7・表8・表26)
硬質材の硬さは、表7 のロックウェル硬さによります。注文者の指定があるときは、表8 のビッカース硬さでもよいとされています(5.4.2 a))。
曲げ性は SPCC だけに規定しています。調質区分が硬質(1)のものは、曲げ性を規定しません(5.5)。曲げた試験片の外側に、き裂が生じてはなりません。
| 調質区分(記号) | HRBS 又は HRBW(表7) | HV(表8) | 曲げ角度・内側間隔(表26。間隔は板の枚数) |
|---|---|---|---|
| 焼なましのまま(A) | 規定しない | 規定しない | 180°・0(密着) |
| 標準調質(S) | 規定しない | 規定しない | 180°・0(密着) |
| 1/8 硬質(8) | 50~71 | 95~130 | 180°・0(密着) |
| 1/4 硬質(4) | 65~80 | 115~150 | 180°・1 |
| 1/2 硬質(2) | 74~89 | 135~185 | 180°・2 |
| 硬質(1) | 85 以上 | 170 以上 | 規定しない |
- 表7 注 a) 測定は,HRBS 又は HRBW のいずれかでよい。ただし,疑義が生じた場合は,HRBS による。
- 表26 注 a) 呼び厚さの板の枚数。製造業者の判断によって,規定より少ない枚数で試験してもよい。
JIS G 3141:2017(冷間圧延鋼板及び鋼帯) 表7(硬質材のロックウェル硬さ(HRB))・表8(硬質材のビッカース硬さ(HV))・表26(曲げの内側間隔) 準拠
一覧の見方と注意
幅 30 mm 以上の冷間圧延の鋼板と鋼帯の規格です。幅 600 mm 未満で冷間圧延する鋼帯(みがき帯鋼)と、それから切った鋼板も含みます。
記号の文字の読み方は、規格に書かれていません。鋼板・鋼帯には、1包装・1結束ごとに、種類の記号(付加記号を含む)・調質記号・表面仕上げ記号などを表示します(15 a)〜c))。規格の表示の例(参考)は「SPCC−S D」で、一般用・標準調質・ダル仕上げを表しています。
値は 2017年版の規格票と照合したものです。現行は 2021年版とみられます(規格の書誌は未確認)。その改正原案と比べると、この一覧に載せている値は4欄を除いて同じでした。違うのは、SPCC・SPCD・SPCE の適用厚さの上限(原案は 6.0 mm)と、SPCG の厚さ 2.5 mm 以上の伸び(原案は「47 以上」)です。2021年版の規格票とは照合していません。
関連する計算・一覧
ほかの材料記号の一覧
この一覧の確かめ方
表の欄と注の文は、規格票の表を2回、別々に読み取って突き合わせ、そのままの文字で載せています。
照合に使った資料は、編集方針に書いています。