つぶし率の求め方
つぶし率は、Oリングの太さ d2 が溝の深さまでつぶれる割合です。
つぶし率 = (d2 − 溝の深さ) ÷ d2 × 100
円筒面の溝の深さは (D − d) ÷ 2、平面の溝は深さ h が表4 で決められています。P20(太さ 2.4 mm、D − d = 4 mm、h = 1.8 mm)では次のとおりです。
円筒面: (2.4 − 2) ÷ 2.4 × 100 = 16.7 %
平面: (2.4 − 1.8) ÷ 2.4 × 100 = 25.0 %
JIS B 2401-2:2012(Oリング-第2部:ハウジングの形状・寸法) 表3・表4 の溝寸法
JIS B 2401-1:2012(Oリング-第1部:Oリング) 表5・表6 の太さと許容差
寸法許容差を含めた範囲
P20 の太さの許容差は ±0.09 mm で、溝にも円筒面の d(0/−0.06 mm)・D(+0.06/0 mm)、平面の深さ h(±0.05 mm)の許容差があります。つぶし率が最も小さいのは太さが最小で溝が最も深いとき、最も大きいのは太さが最大で溝が最も浅いときです。
円筒面の最小: (2.31 − 2.06) ÷ 2.31 × 100 = 10.8 %
円筒面の最大: (2.49 − 2) ÷ 2.49 × 100 = 19.7 %
P20 の平面の溝では 19.9〜29.7 % です。JIS B 2401-2 の表3・表4 には参考としてつぶし率の範囲が載っていて、この求め方の値と小数1桁で一致します。円筒面の範囲には、軸心のずれ(偏心)は含みません。
太さごとのつぶし率
太さが同じグループでは、溝の D − d と h も同じなので、つぶし率も同じです。
| 呼び番号太さ | 円筒面 | 平面 |
|---|---|---|
| P3〜P101.9 mm | 21.114.8〜24.2 | 26.320.3〜31.8 |
| P10A〜P222.4 mm | 16.710.8〜19.7 | 25.019.9〜29.7 |
| P22A〜P503.5 mm | 14.39.4〜16.7 | 22.919.1〜26.4 |
| P48A〜P1505.7 mm | 12.38.4〜14.2 | 19.316.5〜22.0 |
| P150A〜P4008.4 mm | 10.77.9〜12.3 | 17.915.8〜19.9 |
| G25〜G1453.1 mm | 19.413.3〜21.9 | 22.618.3〜26.6 |
| G150〜G3005.7 mm | 12.38.4〜14.2 | 19.316.5〜22.0 |
上が基準寸法、下が寸法許容差を含めた範囲(円筒面は偏心を含まない)。G25〜G145 の円筒面の最大は、規格の表では 21.85 と印刷されています(計算値 21.875 を小数1桁に丸めると 21.9)。
P 系列では、太いOリングほど基準寸法のつぶし率が小さくなっています(円筒面 21.1 % → 10.7 %)。どのグループでも、固定用の平面の溝のほうが円筒面より大きくつぶす寸法です。全サイズの溝寸法はOリング P 寸法表・Oリング G 寸法表にあります。
つぶし率が変わる要因
- 寸法の許容差: 同じ番号でも、P20 の円筒面なら 10.8〜19.7 % の幅があります。
- 偏心: 円筒面では、軸心がずれると溝の深さが周方向で変わり、つぶし率も変わります。規格では溝加工深さのばらつき E(P20 は 0.05 mm 以下)が決められています。
- 膨潤・温度: 使っている間に流体による膨潤や温度で太さが変わると、つぶし率も変わります。
- 番号の取り違え: P と G、A 付きの番号は、同じ数字でも溝の D が違うことがあります。
ここでの値は、JIS の溝寸法から計算した目安です。どの程度のつぶし率がよいかは用途・材料・流体で変わるので、Oリングメーカーの推奨値がある場合はそちらを優先してください。Oリングのツールでは、番号と溝の形(円筒面・平面)を選ぶと、つぶし率と充てん率を計算できます。ねじ部ではなくパッキン・Oリングで気密を取る管用平行ねじ G については「PT・PS・PF と今の記号」にまとめています。