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サクッとJIS機械設計・配管計算ツール

現場メモ

図面の線の種類と太さ

公開 ・文責 弁屋(製造業13年・バルブの分野)

図面の線は、太さと形の組合せで何を表すかが決まっています。機械製図の JIS B 0001 は、線を用途ごとに表5 のとおりに使うとしています。

線の太さの選び方、線と線の隙間、線形の決まり、線が重なったときの描き方も、箇条ごとに示します。

線の種類と用途(表5 の25行)

外形線・かくれ線・中心線のように、線には用途による名前があります。名前ごとに、線の太さと形の組合せが表5 で決まっています。

外形線 太い実線寸法線など 細い実線かくれ線 細い破線かくれ線 太い破線中心線 細い一点鎖線特殊指定線 太い一点鎖線想像線 細い二点鎖線破断線 ジグザグ線など切断線 端を太くした一点鎖線ハッチング 細い実線を並べる特殊な用途の線 極太の実線
JIS B 0001 表5 の主な線の見本です。太さは細線:太線:極太線 = 1:2:4 で描き、破線・鎖線の線の長さとすき間は模式的にしています。
線の種類と用途(JIS B 0001 表5。用途は意味を短くしたもの)
名前線の種類用途
外形線太い実線対象物の見える部分の形を表す
寸法線細い実線寸法を記入する
寸法補助線細い実線寸法を記入するために図形から引き出す
引出線(参照線を含む)細い実線記述・記号などを示すために引き出す
回転断面線細い実線図形の中に、その部分の切り口を 90° 回して表す
中心線細い実線図形に中心線(図例1 の 4.1)を簡略化して表す
水準面線細い実線水面・液面などの位置を表す
かくれ線細い破線又は太い破線対象物の見えない部分の形を表す
ミシン目線跳び破線布・皮・シート材の縫い目を表す
連結線点線制御機器の内部リンク、開閉機器の連動動作などを表す
中心線細い一点鎖線a) 図形の中心を表すb) 中心が移動する中心軌跡を表す
基準線細い一点鎖線特に位置決めのよりどころであることをはっきり示す
ピッチ線細い一点鎖線繰返し図形のピッチをとる基準を表す
特殊指定線太い一点鎖線特殊な加工をする部分など、特別な要求事項を適用する範囲を表す
想像線細い二点鎖線a) 隣接部分を参考に表すb) 工具・ジグなどの位置を参考に示すc) 可動部分を移動中の特定の位置や移動の限界の位置で表すd) 加工前・加工後の形を表すe) 繰返しを示すf) 図示した断面の手前にある部分を表す
重心線細い二点鎖線断面の重心を連ねた線を表す
光軸線細い二点鎖線レンズを通る光軸を示す線を表す
パイプライン、配線、囲い込み線一点短鎖線・二点短鎖線・三点短鎖線水・油・蒸気・上下水道などの配管経路を表す
パイプライン、配線、囲い込み線一点長鎖線・二点長鎖線・三点長鎖線・一点二短鎖線水・油・蒸気・電源部・増幅部などを区別するため、線で囲い込んで機能を示す
パイプライン、配線、囲い込み線二点二短鎖線・三点二短鎖線水・油・蒸気などの配管経路を表す
破断線不規則な波形の細い実線又はジグザグ線対象物の一部を破った境界、又は一部を取り去った境界を表す
切断線細い一点鎖線で,端部及び方向の変わる部分を太くした線断面図を描くとき、その断面の位置を対応する図に表す
ハッチング細い実線で,規則的に並べたもの図形の限られた特定の部分を他と区別する(例: 断面図の切り口)
特殊な用途の線細い実線a) 外形線とかくれ線の延長を表すb) 平面であることを X 字状の2本の線で示すc) 位置をはっきり示す・説明する
特殊な用途の線極太の実線圧延鋼板・ガラスなど薄肉部を単線で図示する

中心線は2行あります。図形の中心や、中心が動く軌跡を表すのは細い一点鎖線の行です。細い実線の行は、図形に中心線を簡略化して描くときの線です。

想像線は、投影法の上では図形に現れないものを、便宜上示すときに使います。機能や加工の理解を助けるため、図形を補助的に示すのにも使えます(表5 の注b))。切断線は、ほかの用途と取り違えるおそれがなければ、端と向きの変わる所を太くしなくてもかまいません(注d))。

JIS B 0001 では、表5 にない種類の線は JIS Z 8312 か JIS Z 8321 によるのがよいとしています(6.2・表5 の注c))。表5 によらない線を使ったときは、その線の用途を図面に注記します(6.2)。

JIS B 0001:2019(機械製図) 6.2 表5・表5 の注b)〜d) の線の種類と用途

線の太さはどう選ぶ?

線の太さは、0.13・0.18・0.25・0.35・0.5・0.7・1・1.4・2 mm の9つから選びます(JIS B 0001 6.1)。JIS Z 8312 4.1 も同じ9つを挙げ、図面の大きさに応じてどれかにするとしています。隣どうしの値は、およそ 1.4 倍ずつ違います。

0.130.180.250.350.50.711.42
線の太さの基準の9つです(単位 mm)。太さを比べられるよう、どれも同じ倍率で太さだけ拡大しています。

細線・太線・極太線の太さの比は、一般に 1:2:4 にします(JIS B 0001 6.2)。9つの値のうち、この比がちょうど成り立つ組は次の3つです。細線を 0.25 mm にすれば、太線は 0.5 mm、極太線は 1 mm です。

太さの比が 1:2:4 になる組(単位 mm)
細線太線極太線
0.250.51
0.350.71.4
0.512

1本の線は、全長にわたって同じ太さで描かなければなりません(JIS Z 8312 4.1)。太さを一様に描ける製図器具を使うときは、太さのずれを ±0.1d 以内に収めます(4.2。d は線の太さ)。隣り合う太さの違う2本の線がはっきり見分けられるなら、太さは9つの値から外れてもかまいません(4.2)。

JIS B 0001:2019(機械製図) 6.1・6.2 の線の太さと太さの比

JIS Z 8312:1999(製図―表示の一般原則―線の基本原則) 4.1・4.2 準拠

線と線の隙間はどれだけあける?

JIS B 0001 4 c) では、近づけて描く平行線の隙間が、いちばん太い線の2倍以上、しかも 0.7 mm 以上あるのが望ましいとしています。JIS Z 8312 5.1 では、ほかに決まりが無い限り、平行な線の間隔を 0.7 mm より狭くしてはなりません。

交わる線が密集する所では、線の間の隙間を、いちばん太い線の3倍以上にします(4 c))。多数の線が1点に集まるときは、紛らわしくない限り、隙間がいちばん太い線の約2倍になる所で線を止め、点のまわりをあけるのがよい、としています(4 d))。

線は、太さの中心が、本来その線を描く位置に重なるように描かなければなりません(4 b))。

JIS B 0001:2019(機械製図) 4 b)〜d) の線の位置と隙間

JIS Z 8312:1999(製図―表示の一般原則―線の基本原則) 5.1 準拠

線の形(線形)の決まり

実線・破線・一点鎖線のような線の形を、JIS Z 8312 は線形と呼び、表1 で15種を決めています。名前は線の要素の並びを表します。たとえば破線は短線とすき間、一点鎖線は長線・すき間・極短線・すき間の繰返しです(表1 の下の参考)。

01 実線02 破線03 跳び破線07 点線08 一点鎖線09 二点鎖線
JIS Z 8312 表1 の線形のうち6つを、表3 の長さで描いた見本です(線の太さ d を 1 として、長線 24・極短線 6・短線 12・すき間 3・長すき間 18)。点は表3 の上限の 0.5 で描いています。

要素の長さは、線の太さ d の倍数で決まっています(表3)。表3 は、手書きで図面を作るときの決まりです。

線の要素の長さ(JIS Z 8312 表3。d は線の太さ)
要素長さ線形の番号表1 の番号
点0.5d 以下04〜07 及び 10〜15
すき間3d02 及び 04〜15
極短線6d08 及び 09
短線12d02、03 及び 10〜15
長線24d04〜06、08 及び 09
長すき間18d03

製図総則の JIS Z 8310 は、製図に使う線を JIS Z 8312 によるとし、ほかの規格に別の決まりがあればそれに従う、としています(7 a))。CAD で製図するときは、JIS Z 8321 によるのがよいとされています(7 b))。

JIS B 0001 表5 の「細い一点鎖線」などの名前が、表1 のどの番号に当たるかは、どちらの規格票の該当の箇所にも書かれていません。

表1 の線形15種を見る
線形(JIS Z 8312 表1)
番号名前
01実線
02破線
03跳び破線
04一点長鎖線
05二点長鎖線
06三点長鎖線
07点線
08一点鎖線
09二点鎖線
10一点短鎖線
11一点二短鎖線
12二点短鎖線
13二点二短鎖線
14三点短鎖線
15三点二短鎖線

JIS Z 8312:1999(製図―表示の一般原則―線の基本原則) 3.1 表1・4.3 表3 の線形と線の要素の長さ

JIS Z 8310:2010(製図総則) 7 a)・b) 準拠

線が重なったときはどの線で描く?

2種類以上の線が同じ所に重なるときは、次の順で、先にあるものを優先して描きます(JIS B 0001 6.3)。

線が重なるときの順(JIS B 0001 6.3 の a)〜f))
順名前線
a)外形線太い実線
b)かくれ線細い破線又は太い破線
c)切断線細い一点鎖線で,端部及び方向の変わる部分を太くした線
d)中心線細い一点鎖線
e)重心線細い二点鎖線
f)寸法補助線細い実線

たとえば、かくれ線が外形線と同じ位置に来るときは、外形線で描きます。中心線と寸法補助線が重なれば、優先するのは中心線です。

JIS B 0001:2019(機械製図) 6.3 図7 の線が重なるときの順

この記事の確かめ方

照合したのは、JIS B 0001:2019 と JIS Z 8312:1999・Z 8310:2010 の規格票です。表と本文を2回、別々に読み取りました(2026年11月)。

図面の書き方を解説した公開資料とも見比べ、主な線の種類と、平面であることを示す細い実線の書き方は一致しています。線の太さの数列と比 1:2:4 は、読めた資料には載っていませんでした。

JIS Z 8312・Z 8310 の2つは、照合した年版が現行かどうかを確かめていません。

照合に使った資料は、編集方針に書いています。

図面の書き方の記事

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