配管
配管・バルブの図示記号
配管図に使う管・弁・継手の図示記号を、JIS の図をもとに描き直して載せています。出どころは JIS B 0011-1(配管の簡略図示方法)と JIS Z 8617-3(ダイヤグラム用図記号)です。同じ名前の記号は、規格ごとに並べました。
建築設備(給排水・空調)の図面では、空気調和・衛生工学会の規格(SHASE-S 001)や公共建築の標準図の記号がよく使われます。このページの JIS の記号とは形が違うものもあるので、図面の凡例を優先してください。
ページの更新日
- JIS B 0011-1:1998
- JIS Z 8617-3:2008
管の交差と接続
管の交差
接続していない交差(切れ目なし)
図に名前は書かれていません
切れ目を付けずに交わる2本の線
接続していない交差は、ふつうこのように切れ目を付けずに描きます(5.1)。
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 5.1 図9 準拠
後ろを通る管の交差(切れ目あり)
図に名前は書かれていません
後ろを通る管の線に、線の太さの5倍以上の切れ目
後ろを通ることを示す必要があるときだけ、後ろの管の線に切れ目を付けます(5.1)。
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 5.1 図10 準拠
永久結合部(溶接など)
JIS B 0011-1 は、溶接などで永久に結合した所を点だけで表します。JIS Z 8617-3 の 515 は、点に矢・基線・尾を添えた継手の記号です。
永久結合部の点(直線上)
図12 a)(図に名前は書かれていません)
直線の途中に、塗りつぶした点
点の直径は、線の太さの5倍です(5.2)。
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 5.2 図12 a) 準拠
永久結合部の点(十字の接続)
図12 b)(図に名前は書かれていません)
十字に交わる所に、塗りつぶした点
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 5.2 図12 b) 準拠
永久結合部の点(曲がり部の両端)
図12 c)(図に名前は書かれていません)
曲がり部の両端に、塗りつぶした点
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 5.2 図12 c) 準拠
溶接,ろう付け又ははんだ付け継手登録番号 515
点から矢を出し、基線と尾を添えた形
点の直径は、最も太い線の5倍にするのがよいとされています(R501)。
規定JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) 6.1.5 登録番号 515 準拠
レジューサ(径の変わる所)
レジューサ
JIS B 0011-1 では、呼び径を記号の上に書きます(6.2.2)。
同心単一部品
上下対称の台形(左が大きい端)
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 6.2.2 図13 準拠
同心複数部品
台形の途中に、縦の仕切りの線1本
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 6.2.2 図14 準拠
偏心単一部品
下の辺が水平な台形(左右の管の高さが違う)
上の辺をそろえた描き方の図は、JIS B 0011-1 にありません。
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 6.2.2 図15 準拠
パイプ径の変化,レジューサ登録番号 516
台形(左が大きい端)
規定JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) 6.1.6 登録番号 516 準拠
フランジ
フランジ
JIS B 0011-1 6.7 は、フランジを正面・背面・側面から見たときの描き方です。JIS Z 8617-3 の 511 は、ダイヤグラム(系統図)に使う継手の記号です。
フランジ(正面からの図)
本文:「正面からの図については,同心の二つの円」
同心の2つの円と中心線(ボルト穴の十字は任意)
ボルト穴の十字は、描かなくてもかまいません(6.7)。
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 6.7 図25 準拠
フランジ(背面からの図)
本文:「背面からの図については,一つの円」
1つの円と中心線。管の線は円の中心から
ボルト穴の十字は、描かなくてもかまいません(6.7)。
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 6.7 図25 準拠
フランジ(側面からの図)
本文:「側面からの図については,短い一本線」
管の端に、管に直角な短い線1本
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 6.7 図22・図25 準拠
フランジ継手,フランジ対登録番号 511
平行な縦の線2本
規格票では 200 % の大きさで印刷されています。このページでは半分の大きさで描きました。
規定JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) 6.1.1 登録番号 511 準拠
クランプ締付けフランジ継手
登録番号 513
平行な縦の線2本を、上下からコの字で挟んだ形
規格票では 200 % の大きさで印刷されています。このページでは半分の大きさで描きました。
規定JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) 6.1.3 登録番号 513 準拠
閉止フランジ
閉止フランジ
管の端に、平行な短い線2本
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表3 準拠
閉止フランジ対登録番号 517
接続の線の端に、平行な縦の線2本
規定JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) 6.1.7 登録番号 517 準拠
流れの方向
流れの方向
流れの方向(流れ線上の矢印)
図に名前は書かれていません
管の線(流れ線)の上に、塗りつぶした矢じり
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 6.6 図23 準拠
流れの方向(弁の近くの矢印)
図に名前は書かれていません
弁の記号の近くに、細い線の矢印
図の弁の記号は例で、弁の種類を表すものではありません。
規定JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 6.6 図24 準拠
弁(バルブ)
弁の記号の多くは、2つの三角形を頂点で合わせた形(バルブ一般の記号)を基にしています。このページでは、この形を「蝶形」と呼びます。
JIS B 0011-1 附属書1 の弁の記号は参考で、規定ではありません。附属書1 には、今後はなるべく使わないようにすると書かれています。
バルブ一般
2つの三角形を頂点で合わせた形(蝶形)
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
仕切弁
蝶形の中央に、蝶形と同じ高さの縦の線
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
玉形弁
蝶形の中央に、塗りつぶした円
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
逆止め弁(逆止弁)
逆止め弁
表4 で「又は」でつないだ2つの図の左
右の三角形だけを塗りつぶした蝶形
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
逆止め弁
表4 で「又は」でつないだ2つの図の右
縦の線2本を斜めの線でつないだ N の形
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
ボール弁
蝶形の中央に白抜きの円(中に × が見える)
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
バタフライ弁
バタフライ弁
表4 で「又は」でつないだ2つの図の左
左下から右上への斜めの線だけを太くした蝶形
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
バタフライ弁
表4 で「又は」でつないだ2つの図の右
平行な縦の線2本の間に、点の付いた斜めの線
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
アングル弁
直角に並べた三角形2つ(左と上)
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
三方弁
蝶形の中央に、下向きの三角形を足した形
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
安全弁
安全弁
欄に縦に並んだ2つの図の上
蝶形の中央から上へ、ばね(ジグザグ)
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
安全弁
欄に縦に並んだ2つの図の下(図の名前は書かれていません)
直角に並べた三角形2つ(下と右)と、上へのばね
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
コック
コック一般
蝶形の中央に白抜きの円(斜めの線は円で止まる)
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表4 準拠
弁の操作部
操作部
動力操作
蝶形の中央から上へ線、先に白抜きの円
操作部などを詳しく表すときは、JIS Z 8204 によります(表5 の備考欄)。
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表5 準拠
手動操作
蝶形の中央から上へ線、先に横の線(T の形)
手動で開閉することを示す必要がなければ、操作部の表示は省きます(表5 の備考欄)。
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表5 準拠
継手と管の末端
自在継手
登録番号 512
縦の線2本を斜めの線でつないだ N の形
規格票では 200 % の大きさで印刷されています。このページでは半分の大きさで描きました。JIS B 0011-1 附属書1 の逆止め弁(N の形)と形は似ていますが、意味は違います。
規定JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) 6.1.2 登録番号 512 準拠
ねじ込み継手
登録番号 514
接続の線の上と下に、短い横の線
規格票では 200 % の大きさで印刷されています。このページでは半分の大きさで描きました。
規定JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) 6.1.4 登録番号 514 準拠
キャップ・プラグ(管の末端)
ねじ込み式キャップ及びねじ込み式プラグ
管の端にかぶせた、左が開いたコの字
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表3 準拠
溶接式キャップ
管の端に、右へふくらむ半円(D の形)
参考(規定ではない)JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 表3 準拠
端末キャップ登録番号 518
接続の線の端に、左が開いた浅いコの字
規定JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) 6.1.8 登録番号 518 準拠
伸長ループ・伸長スリーブ・伸長ベローズ
伸長ループ登録番号 531
上へふくらむ半円
規定JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) 7.1.1 登録番号 531 準拠
伸長スリーブ登録番号 532
左が開いた横長のコの字
規定JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) 7.1.2 登録番号 532 準拠
伸長ベローズ登録番号 533
縦長のレンズの形
規定JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) 7.1.3 登録番号 533 準拠
規格ごとの描き方の決まり
線の太さ・点の大きさ・切れ目の幅のように、規格が数値で決めている所は、このページの図もその値で描いています。
JIS B 0011-1 本文(規定)
- JIS B 0011-1 の図は本文を説明するためのもので、設計の例ではありません。(箇条1)
- 管は、径に関係なく、管の中心線の位置に1本の太い実線(流れ線)で描きます。(4.1)
- 線の太さは、ふつう1種類だけを使います。2種類以上を使うときの太さの比は、主流れ線 : 二次流れ線と文字 : 引出線や寸法線 = 2 : 2 : 1 です。(4.3.1)
- 平行な線のすき間は、最も太い線の2倍以上、最小 0.7 mm にします。隣り合う流れ線の間と、流れ線とほかの線の間は、10 mm 以上あけるのがよいとされています。(4.3.3)
- 接続していない交差は、ふつう切れ目を付けずに描きます。後ろを通ることを示す必要があるときは後ろの管の線に切れ目を付け、切れ目の幅は線の太さの5倍以上にします。(5.1)
- 溶接などの永久結合部は目立つ大きさの点で表し、点の直径は線の太さの5倍にします。(5.2)
- 着脱式の結合部の記号は本文に無く、ISO 4067-1 によって描くのがよいとされています。(5.3)
- 装置・機械・弁などの記号は、流れ線と同じ太さの線で描きます。(6.1)
- ノズル・T・ベンドなどの管継手も、流れ線と同じ太さの線で描くのがよいとされています。(6.2.1)
- 径を変える部品(レジューサ)は図13〜図15 のように描き、呼び径を記号の上に書きます。(6.2.2)
- 流れの方向は、流れ線の上か弁の記号の近くに、矢印で示します。(6.6)
- フランジは種類と大きさに関係なく、管と同じ太さの線で描きます。正面から見ると同心の2つの円、背面からは1つの円、側面からは短い1本の線です。ボルト穴は、ボルト穴の中心線の上に十字を描いて、簡略に示してもかまいません。(6.7)
JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 箇条1・4.1・4.3.1・4.3.3・5.1・5.2・5.3・6.1・6.2.1・6.2.2・6.6・6.7 準拠
JIS B 0011-1 附属書1(参考)
附属書1 は参考で、規定の一部ではありません。附属書1 には、今後はなるべく使わないようにすると書かれています。
- 管の末端は、附属書1 表3 の記号で表します。(附属書1 箇条4)
- 弁とコックの本体は、附属書1 表4 の記号で表します。(附属書1 箇条5)
- 弁・コックと管の接続のしかたを示すときは、接続のしかたの記号と組み合わせます。(附属書1 表4 備考1)
- 弁・コックが閉じていることを示すときは、記号を塗りつぶすか、「閉」「C」などの文字を添えます。(附属書1 表4 備考2)
- 弁の操作部が動力か手動かを分けて示すときは、附属書1 表5 の記号で表します。(附属書1 箇条6)
JIS B 0011-1:1998(製図―配管の簡略図示方法―第1部:通則及び正投影図) 附属書1 箇条4・附属書1 箇条5・附属書1 表4 備考1・附属書1 表4 備考2・附属書1 箇条6 準拠
JIS Z 8617-3(規定)
- 点(ドット)の直径は、図記号 402 を使う場合を除いて、最も太い線の5倍にするのがよいとされています。T形継手では、点を省いてもかまいません。(R501)
- 511〜514 の記号は、規格票では2倍の大きさ(200 %)で印刷されています。(6.1.1〜6.1.4)
JIS Z 8617-3:2008(ダイヤグラム用図記号―第3部:接続及び関連装置) R501・6.1.1〜6.1.4 準拠
関連するページ
解説・よくある質問
このページの弁の記号は、JIS のどこにある記号?
このページの弁の記号は、JIS B 0011-1 の附属書1 にある記号です。附属書1 は参考で、規定ではありません。管の交差・接続の点・レジューサ・フランジ・流れの方向の描き方は、同じ規格の本文で決まっています。
建築設備(給排水・空調)の図面の記号も同じ?
同じとは限りません。建築設備の図面は冒頭に書いた別の規格の記号を使うことが多く、JIS の記号と形が違うものもあります。図面の凡例を優先してください。
管が交差しているだけのときは、どう描く?
JIS B 0011-1 では、接続していない交差は、ふつう切れ目を付けずに描きます。後ろを通ることを示す必要があるときだけ、後ろの管の線に切れ目を付けます。切れ目の幅は、線の太さの5倍以上です。
溶接した所の点の大きさは?
JIS B 0011-1 では、溶接などの永久結合部を目立つ大きさの点で表し、点の直径を線の太さの5倍にします。JIS Z 8617-3 も、点の直径を最も太い線の5倍にするのがよいとしています。
図が2つある記号があるのはなぜ?
逆止め弁とバタフライ弁は、JIS B 0011-1 附属書1 の表4 で、2つの図を「又は」でつないでいるためです。このページでは、表の左の図と右の図を並べました。
安全弁は、表4 の安全弁の欄に図が縦に2つ並んでいます。2つの図を分ける名前は、表に書かれていません。
この一覧の確かめ方
記号の名前と形は、JIS B 0011-1:1998 と JIS Z 8617-3:2008 の規格票の写しの図を2回、別々に読み取って突き合わせました。食い違った所は、図を拡大して読み直して決めています(2026年11月)。
図はこのサイトで描き直したもので、記号の部分の比は読み取りに合わせ、管の長さは短くしました。線の太さの比・点の直径・切れ目の幅は、規格の値で描いています。
照合に使った資料は、編集方針に書いています。