サクッとJIS機械設計・配管計算ツール

ねじ・締結

アイボルト・アイナットの寸法と使用荷重

JIS B 1168 のアイボルトと JIS B 1169 のアイナットの使用荷重(垂直づり・45度づり(2個につき))、保証荷重、寸法を、ねじの呼びを選んで調べられます。アイボルトは M8〜M100×6 の14サイズ、アイナットは M8〜M80×6 の12サイズ。

  • JIS B 1168:1994
  • JIS B 1169:1994
  • JIS B 0205-2:2001
01

条件

品目

M8〜M100×6 の14サイズ。M80×6〜M100×6 は細目ねじです(表2)。

02

使用荷重と保証荷重

使用荷重(アイボルト M12)・単位 kN

垂直づり

2.16

45度づり(2個につき)

2.16

45度づりの条件(付表1 の見出しの注)

注(11) 45度づりの使用荷重は,ざぐりなどを施しボルトの座面が相手と密着し,2個のボルトのリングの向きが上図のように同一平面内にある場合に適用する。

注の「上図」は、規格票の付表1 の図(垂直づりと45度づりの絵)を指します。このページの図には吊り方を描いていません。

この表では、どの呼びでも垂直づりと45度づり(2個につき)の値が同じです。

JIS B 1168:1994(アイボルト) 付表1 アイボルトの形状・寸法及び使用荷重 準拠

表1 保証荷重

保証荷重(M12)
6.47kN

注(2) 保証荷重は,使用荷重の3倍である。

JIS B 1168:1994(アイボルト) 表1 保証荷重 準拠

計算ロジック

注(2) のとおり、使用荷重(垂直づり)を3倍して、表1 の保証荷重と並べています。

2.16 × 3 = 6.48 kN(表1 の保証荷重 6.47 kN)

3倍の 6.48 に対し、表1 は 6.47 です。画面には表1 の値を出しています。

規格の文(使用荷重と保証荷重)

JIS B 1168:1994 の条・注・備考の文を、規格票の写しの文字のまま載せています。

1. 適用範囲 この規格は,機械器具類のつり上げなど一般の荷役に用いるアイボルト(以下,ボルトという。)について規定する。

2. 使用荷重 ボルト1個による垂直づり及び2個による45度づり(1)の使用荷重は,付表1による。

注(1) 45度づりの場合は,ざぐりなどを施しボルトの座面が相手と密着し,2個のボルトのリングの向きが,付表1の図のように同一平面内にあるときの使用荷重を示す。

注(11) 45度づりの使用荷重は,ざぐりなどを施しボルトの座面が相手と密着し,2個のボルトのリングの向きが上図のように同一平面内にある場合に適用する。

3.1 保証荷重 ボルトは,10.1の規定によって試験したとき,表1の保証荷重以下で破断したり,また,リングの部分に0.5%以上の永久変形が生じてはならない。

注(2) 保証荷重は,使用荷重の3倍である。

付表1 の備考

備考1. ねじの呼びに括弧を付けたものは,なるべく用いない。

備考2. この表のlは,アイボルトを取り付けるめねじの部分が,鋳鉄又は鋼である場合に適用する寸法とする。

03

寸法

abHhtr₂eklgdₐr₁cD側面
左が正面、右がリングと座を横から見た形。h・H・l・e は座面から測ります。模式図です。形と比率は実物どおりではありません。

付表1・M12

リングの外幅 a
50mm
リングの内径 b
30mm
リングの厚さ c
10mm
座の外径 D
25mm
座の厚さ t
9mm
座面からリングの中心まで h
26mm
座面からリングの上端まで H
51mm(参考)
座面からねじ先の面取りまで l
22mm
備考2. この表のlは,アイボルトを取り付けるめねじの部分が,鋳鉄又は鋼である場合に適用する寸法とする。
座面からねじの逃げの終わりまで e
5mm
ねじの逃げの径 g
9.4mm(最小)
首下の丸み r₁
1.4mm(最小)
図の注記: 首下には必ず r1 以上の丸みを付けること。
首の径 dₐ
14.2mm(最大)
リングと座のつなぎの丸み r₂
6mm(約)
ねじ先の面取りの長さ k
2mm(約)

JIS B 1168:1994(アイボルト) 付表1 アイボルトの形状・寸法及び使用荷重 準拠

04

ねじ・材料・表示

ねじ(表2)

ねじの種類
メートル並目ねじ(JIS B 0205)
ピッチ
1.75mm

並目のピッチ(付表1・表2 には書かれていない)

等級(JIS B 0209)
6g 又は 2級

表2 の備考: めっきを施したねじの最大許容寸法は,4h又は1級おねじの最大許容寸法とする。ただし,溶融めっきを施したねじの精度は,受渡当事者間の協定による。

JIS B 1168:1994(アイボルト) 表2 ねじ 準拠

JIS B 0205-2:2001(一般用メートルねじ―第2部:全体系) 表2 呼び径及びピッチの選択 の並目のピッチ

材料・製造・硬さ(7.・8.・3.3)

材料(7.)
SS400(JIS G 3101)・S17C(JIS G 4051)・S20C(JIS G 4051)
製造(8.)
鍛造で成形し、焼ならしをしてから機械加工
焼ならし温度(表3)
870〜920℃空冷
硬さ(3.3)
62HRB〜88HRB

製品の表示(14.1)

M16 以上
M12 は M16 より小さいので、14.1 の表示の決まりはかかりません。

JIS B 1168:1994(アイボルト) 7. 材料・8. 製造方法・表3 焼ならし温度・3.3 硬さ・14.1 製品の表示 準拠

05

全サイズの表(アイボルト)

M8〜M100×6 の14サイズ。行を押すと選べます

寸法は mm、荷重は kN。保証荷重は表1 の値です。

アイボルトの寸法と使用荷重
ねじの呼びabcDthH(参考)leg(最小)r₁(最小)dₐ(最大)r₂(約)k(約)垂直づり(kN)45度づり(2個につき)(kN)保証荷重(kN)
M832.6206.31651733.3153619.241.20.7850.7852.35
M10412582072141.51847.71.211.241.51.471.474.41
M12(選択中)50301025926512259.41.414.2622.162.166.47
M16603512.530113060275131.618.2624.414.4113.24
M207240163513357130616.4222.482.56.186.1818.54
M249050204518459038819.62.526.41239.329.3227.95
M30110602560225511045825333.4153.514.714.744.13
M361337031.5702665131.5551030.3339.418422.622.667.67
M421518035.5803075150.5651235.63.545.6204.533.333.3100.0
M481709040903585170701241452.622544.144.1132.4
M642101105011042105210901455.757125688.388.3265
M80×626614063130501302631051471587356147147441
(M90×6)30216071150551503011201481597356177177530
M100×6340180801706016533513014915108406196196588

備考1. ねじの呼びに括弧を付けたものは,なるべく用いない。

M64 の使用荷重は、アイボルト(JIS B 1168)が 88.3 kN、アイナット(JIS B 1169)が 88.2 kN で、規格票の印刷が違います。

JIS B 1168:1994(アイボルト) 付表1 アイボルトの形状・寸法及び使用荷重・表1 保証荷重 準拠

この数値の確かめ方

アイボルト(JIS B 1168:1994)とアイナット(JIS B 1169:1994)の付表1(形状・寸法及び使用荷重)、表1(保証荷重)、表2(ねじ)と、アイボルトの表3(焼ならし温度)は、規格票の写しの表と照合して一致しました(2026年11月)。吊り具メーカー・鍛造メーカー・商社などが公開している資料とも見比べ、サイトの値の誤りは見つかっていません。

ページの更新日

照合の中身を見る

規格票の写しとの照合

JIS B 1168:1994 は、付表1 の14サイズ(M8〜M100×6)の寸法14列と使用荷重2列(224欄)、表1 の28欄、表2・表3 と、条・注・備考の23文を照合しました。JIS B 1169:1994 は、付表1 の12サイズ(M8〜M80×6)の寸法9列と使用荷重2列(132欄)、表1 の12欄、表2 と、条・注・備考の19文です。

突き合わせた表の欄はアイボルトが275、アイナットが162で、印刷どおりの文字・括弧・注の印・列の括弧書き(参考・最小・最大・約)の食い違いは0件です。使用荷重の列と見出しは、照合のときに写しの画像を3倍に拡大して読み直した。M64 の行は8倍で確かめています。

条・注・備考の文は、写しに埋め込まれた文字から2回写して同じでした。写しの画像では本文の文字が消されているので、文は画像とは照らせていません。

照合に使ったのは、インターネットで公開されている規格票の写しです。表は2回、別々に読み取って比べ、判定はすべて一致しています。写しは日本産業標準調査会(JISC)が公開しているものではなく、JISC の JIS 検索や購入した規格票での照合は、まだ行っていません。

メーカー・業界団体の資料との見比べ(2026年11月1日)

JIS B 1168(アイボルト): 一致

商社の便覧(JIS B 1168-1994 の規格表)、吊り具メーカーのアイボルトの資料(JIS B 1168-1994 と明記)、ボルト商社の規格解説のページ、第三者の JIS 転載ページ(表1 と本文)

見比べた範囲: 便覧は M8〜M100×6 の14行の a〜k の14列と使用荷重(210欄)、吊り具メーカーは (M90×6) を除く13行の a・b・c・D・h・H・l・g と使用荷重(117欄)、ボルト商社は14行の a・b・c・H・D・l と使用荷重(98欄)、転載ページは表1 の28欄。計453欄

JIS B 1169(アイナット): 一致(M64 の使用荷重はどちらの資料も 88.2 kN で、アイボルトの 88.3 kN と違う。規格票の写しと同じ)

鍛造メーカーのアイナットの製品ページ(JIS 寸法の行に印)、ボルト商社の規格解説のページ、第三者の JIS 転載ページ(表1 と本文)

見比べた範囲: 鍛造メーカーは M8〜M80×6 の12行の a〜d' の9列と使用荷重(120欄)、ボルト商社は12行の a・b・c・H・D と使用荷重(72欄)、転載ページは表1 の保証荷重(12欄)。計204欄

使用荷重を載せている資料は、どれも1列で、垂直づりと45度づりを分けていません。商社の便覧にある M90×6 の2行目(寸法は M100×6 と同じ)は製品独自の行とみて、比べていません。資料にある kgf の併記は規格に無いので、比べていません。

見比べたのはメーカーや業界団体などが公開している資料で、発行元の名前は載せていません。発行元がこのサイトを確認・推奨しているものではありません。

自動テストで確かめていること

  • 照合した印刷どおりの文字(JIS B 1168 の付表1・表1・表2・表3、JIS B 1169 の付表1・表1・表2)と、サイトのデータが全欄で同じこと
  • どの行でも、垂直づりと45度づり(2個につき)の使用荷重が同じ文字であること
  • 保証荷重を使用荷重で割った値と3の差が、どの行でも 0.25 % 以内であること(注(2)「保証荷重は,使用荷重の3倍である。」)
  • アイボルトの表1 の引張荷重(試験の値。ツールには出していません)が、注(3) の 392 N/mm² × π/4 × g²(g は付表1 の最小値)と 0.4 % 以内で合うこと(最大は M24 の 0.36 %)
  • 同じ呼びの a・b・c・D と保証荷重がアイボルトとアイナットで同じで、使用荷重が違うのは M64 だけであること
  • どの行でも H = h + a/2 であること

規格の値ではないもの・未確認のもの

M64 の使用荷重は、アイボルトが 88.3 kN、アイナットが 88.2 kN で、規格票の印刷が違います。どちらにも揃えず、規格ごとに印刷どおり出しています。保証荷重はどちらも 265 kN です。

アイボルトの付表1 の備考3(寸法の許容差)と注(4)(材料の鋼の種類と P・S の上限)は、写しの文字に確かめられない字があり、画像でも読めないので載せていません。アイナットの付表1 の備考(許容差)と注(3) は、アイボルトに合わせて載せていません。アイナットの焼ならし温度(表3)は1回の読みだけなので、載せていません。

寸法の記号の名前は、付表1 の図から読んだものです。規格の文に記号の定義はありません。ツールの図は記号の位置を示す模式図で、規格票の図の写しではありません。

並目のピッチは付表1・表2 に無く、表2 が JIS B 0205 によるとしているので、このサイトのメートルねじのデータ(JIS B 0205-2:2001 表2)から出しています。

JIS B 1168・B 1169 は 1994年版の写しと照合しました。第三者の JIS 転載ページの履歴では、2019年10月21日の確認まで改正はありません。2024年の確認の有無は、日本産業標準調査会と日本規格協会の書誌を見られず、確かめていません。

自分で確かめるには

規格原文は、日本産業標準調査会(JISC)(新しいタブで開く)の JIS 検索で閲覧できます。このツールの値は、JIS B 1168 の付表1・表1・表2・表3、JIS B 1169 の付表1・表1・表2で確かめられます。

サイト全体の確かめ方と未確認の項目は、編集方針・データの確認方法にまとめています。

解説・よくある質問

「45度づり(2個につき)」の値は何を表す?

JIS B 1168 の 2. は、ボルト1個による垂直づりと、2個による45度づりの使用荷重を付表1 で決めています。付表1 の見出しは「45度づり(2個につき)」で、この欄に注(11) が付いています。アイナット(JIS B 1169)も同じ形で、こちらは注(9) が付いています。

注の条件は、座面が相手と密着していることと、2個のリングの向きが規格の図のように同じ平面内にあること。アイボルトの注には「ざぐりなどを施し」が入り、アイナットの注には入っていません。

45度以外の角度や、3個以上で吊るときの値は?

JIS B 1168・JIS B 1169 の表と文にあるのは、1個の垂直づりと、2個の45度づりの使用荷重だけです。ほかの角度、3個以上、横に引くときの値や条件は書かれていないので、このツールにも載せていません。

保証荷重と使用荷重の違いは?

保証荷重は表1 の値です。注(2) で、使用荷重の3倍と決めています。3.1 では、10.1 の試験で表1 の保証荷重以下で破断したり、リングの部分に0.5 %以上の永久変形が生じたりしてはならない、としています。

表1 の値は、使用荷重の3倍とわずかに違う呼びがあります。M12 では、2.16 kN の3倍は 6.48 kN で、表1 は 6.47 kN。ツールには表1 の値を出しています。

アイボルトの l はどんなときの寸法?

付表1 の備考2 は「この表のlは,アイボルトを取り付けるめねじの部分が,鋳鉄又は鋼である場合に適用する寸法とする。」です。

括弧の付いた呼びは?

アイボルトの付表1 では、(M90×6) に括弧が付いています。付表1 の備考1 に「ねじの呼びに括弧を付けたものは,なるべく用いない。」とあります。

表1(保証荷重)の印刷は括弧なしの M90×6 です。

アイボルトとアイナットで値は同じ?

同じ呼びどうしで比べると、a・b・c・D の寸法は同じ値です。表1 の保証荷重も、どの呼びでも同じ値です。M64 の使用荷重は、アイボルト(JIS B 1168)が 88.3 kN、アイナット(JIS B 1169)が 88.2 kN で、規格票の印刷が違います。

アイナットは M8〜M80×6 の12サイズで、アイボルトの (M90×6)・M100×6 はありません。

付表1 に無い呼びのアイボルトは?

JIS B 1168 の付表1 の呼びは、M8・M10・M12・M16・M20・M24・M30・M36・M42・M48・M64・M80×6・(M90×6)・M100×6 の14です。これ以外の呼びは JIS B 1168 に無いので、このツールでは扱っていません。