設計・換算
普通公差(JIS B 0405・B 0419)
寸法を入れると、JIS B 0405 の普通公差(精級 f・中級 m・粗級 c・極粗級 v)の許容差と上下の寸法を求めます。実測値を入れると、範囲に入るかと、どの等級なら入るかも分かります。面取り・角度の普通公差と、JIS B 0419 の普通幾何公差(H・K・L。真直度・平面度・直角度・対称度・円周振れ)も確認できます。
- JIS B 0405:1991
- JIS B 0419:1991
条件
測った値を入れると、範囲に入るかと、上限・下限までの余裕を出します。
結果
普通公差(中級 m)
±0.3mm
- 最大(上の寸法)
- 50.3mm
- 最小(下の寸法)
- 49.7mm
全等級(50 mm)
タップすると、その等級を選べます。
図面の注記(表題欄の中か、その近くに書く)
JIS B 0405-m長さ・面取り・角度に、同じ等級の普通公差が適用されます。規格の例は「JIS B 0405-m」の形で、「普通公差 JIS B 0405-m」と書くことも多いです。
JIS B 0405:1991(普通公差-第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差) 表1 面取り部分を除く長さ寸法に対する許容差 準拠(ISO 2768-1:1989 と同じ値)
計算ロジック
寸法が入る区分を表から探し、等級の許容差を読みます。区分は「〜を超え〜以下」で、上端の値はその区分に入ります(3 mm ちょうどは「0.5 以上 3 以下」)。
最大 = 寸法 + 許容差
最小 = 寸法 − 許容差
例: 50 + 0.3 = 50.3 mm
50 − 0.3 = 49.7 mm
上下の寸法は、入力した寸法と許容差のうち小数点以下の桁が多い方にそろえて表示します。
- f
- 精級
- m
- 中級
- c
- 粗級
- v
- 極粗級
- —
- その区分には許容差の規定なし
0.5 mm 未満の長さ寸法・面取り部分の寸法は普通公差の対象外で、寸法のあとに許容差を個々に指示します(表1・表2 の注)。長さ寸法の表(表1)は 4000 mm までです。
実測値の判定
下限(最小)≦ 実測値 ≦ 上限(最大)なら「範囲内」です。上限・下限ちょうども範囲内とします(このツールの扱い)。区分は図面の寸法で選び、実測値では選び直しません。
上限までの余裕 = 上限 − 実測値
下限までの余裕 = 実測値 − 下限
判定は普通公差の範囲と比べるだけで、合否は決めない。測定の誤差(不確かさ)も計算に入れていません。
普通公差の表(JIS B 0405・B 0419)
単位: mm(角度の許容差は度・分)。区分の「30超〜120」は「30 を超え 120 以下」、「〜10」は「10 以下」、「6超」は「6 を超えるもの」の意味です。入力した寸法の区分の行と、選んだ等級を強調しています。
長さ寸法(面取り部分を除く)(表1)
| 寸法の区分 | f精級 | m中級 | c粗級 | v極粗級 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5〜3 | ±0.05 | ±0.1 | ±0.2 | — |
| 3超〜6 | ±0.05 | ±0.1 | ±0.3 | ±0.5 |
| 6超〜30 | ±0.1 | ±0.2 | ±0.5 | ±1 |
| 30超〜120(該当) | ±0.15 | ±0.3 | ±0.8 | ±1.5 |
| 120超〜400 | ±0.2 | ±0.5 | ±1.2 | ±2.5 |
| 400超〜1000 | ±0.3 | ±0.8 | ±2 | ±4 |
| 1000超〜2000 | ±0.5 | ±1.2 | ±3 | ±6 |
| 2000超〜4000 | — | ±2 | ±4 | ±8 |
面取り部分の長さ寸法(かどの丸み・面取り)(表2)
| 寸法の区分 | f精級 | m中級 | c粗級 | v極粗級 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5〜3 | ±0.2 | ±0.2 | ±0.4 | ±0.4 |
| 3超〜6 | ±0.5 | ±0.5 | ±1 | ±1 |
| 6超 | ±1 | ±1 | ±2 | ±2 |
角度寸法(表3)
| 短い方の辺 | f精級 | m中級 | c粗級 | v極粗級 |
|---|---|---|---|---|
| 〜10 | ±1° | ±1° | ±1°30′ | ±3° |
| 10超〜50 | ±0°30′ | ±0°30′ | ±1° | ±2° |
| 50超〜120 | ±0°20′ | ±0°20′ | ±0°30′ | ±1° |
| 120超〜400 | ±0°10′ | ±0°10′ | ±0°15′ | ±0°30′ |
| 400超 | ±0°5′ | ±0°5′ | ±0°10′ | ±0°20′ |
JIS B 0405:1991(普通公差-第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差) 表1・表2・表3 準拠(ISO 2768-1:1989 と同じ値)
ここからは JIS B 0419 の普通幾何公差です。値は公差域の幅(mm)で、± は付きません。
平面度・真直度(表1)
| 呼び長さ | H | K | L |
|---|---|---|---|
| 〜10 | 0.02 | 0.05 | 0.1 |
| 10超〜30 | 0.05 | 0.1 | 0.2 |
| 30超〜100 | 0.1 | 0.2 | 0.4 |
| 100超〜300 | 0.2 | 0.4 | 0.8 |
| 300超〜1000 | 0.3 | 0.6 | 1.2 |
| 1000超〜3000 | 0.4 | 0.8 | 1.6 |
直角度(表2)
| 短い方の辺 | H | K | L |
|---|---|---|---|
| 〜100 | 0.2 | 0.4 | 0.6 |
| 100超〜300 | 0.3 | 0.6 | 1 |
| 300超〜1000 | 0.4 | 0.8 | 1.5 |
| 1000超〜3000 | 0.5 | 1 | 2 |
対称度(表3)
規格の表3 では、H の 0.5 は4つの区分すべてにまたがる1つの欄、K の 0.6 は「100 以下」と「100 を超え 300 以下」にまたがる1つの欄です。ここでは区分ごとに同じ値を入れています。
| 呼び長さ | H | K | L |
|---|---|---|---|
| 〜100 | 0.5 | 0.6 | 0.6 |
| 100超〜300 | 0.5 | 0.6 | 1 |
| 300超〜1000 | 0.5 | 0.8 | 1.5 |
| 1000超〜3000 | 0.5 | 1 | 2 |
円周振れ(表4)
| 長さ | H | K | L |
|---|---|---|---|
| 長さによらない | 0.1 | 0.2 | 0.5 |
JIS B 0419:1991(普通公差-第2部:個々に公差の指示がない形体に対する幾何公差) 表1・表2・表3・表4 準拠(ISO 2768-2:1989 と同じ値)
この数値の確かめ方
許容差は、JIS B 0405:1991 の表1〜表3 の64値と区分の境界16を、規格票の写しの表と照合して一致しました。普通幾何公差(JIS B 0419:1991 表1〜表4)の45値と区分の境界14も、2回の読み取りが一致しています(2026年10月)。ミスミ・三木プーリの公開資料とも見比べ、サイトの値の誤りは見つかっていません。
照合の中身を見る
規格票の写しとの照合
- JIS B 0405:1991 の表1(長さ寸法、32値)・表2(面取り部分、12値)・表3(角度寸法、20値)と、区分の境界16
- JIS B 0419:1991 の表1(真直度及び平面度、18値)と表2(直角度、12値)
- JIS B 0419:1991 の表3(対称度): 区分ごとに広げて12値。印刷上の欄は8つで、H の 0.5 は4区分、K の 0.6 は2区分にまたがる
- JIS B 0419:1991 の表4(円周振れ、3値)と、表1〜表3 の区分の境界14
JIS B 0419 の表は、拡大の仕方を変えて2回読み取り、プログラムで突き合わせました。45値・区分の境界14・表題・単位・表3 の結合の形で、食い違いは0件です。
図面への指示の書き方は、JIS B 0405 の 5.(「JIS B 0405-m」の形)と、JIS B 0419 の 6.1〜6.3(「JIS B 0419-mK」「JIS B 0419-K」「JIS B 0419-mK-E」)と同じです。
照合に使ったのは、インターネットで公開されている規格票の写しです。日本産業標準調査会(JISC)が公開しているものではなく、JISC の JIS 検索や購入した規格票での照合は、まだ行っていません。
メーカー・業界団体の資料との見比べ
JIS B 0405(普通公差): 一致
ミスミ 技術情報「個々に公差の指示がない寸法に対する公差」、三木プーリ 技術資料「普通公差」
2026年10月6日に見比べた範囲: 長さ・面取り・角度の全64値と区分の境目
JIS B 0419(普通幾何公差): 一致(三木プーリの表3 は資料側の誤り。Web は H・K の「100以下」が空欄、PDF は K の最初の欄が 0.6 でなく 0.5)
三木プーリ「普通公差(JIS B 0405-1991/JIS B 0419-1991 抜粋)」(Web)と技術資料 PDF、ミスミ FA Mechanical Components Economy Series 英語カタログ「Excerpts from JIS B 0405, 0419(1991)」(マレーシア版 2023年8月・シンガポール版 2024年1月)
2026年10月11日に見比べた範囲: 表1〜表4 の45値(ミスミは表4 が無く、表1〜表3 の42値)と、表3 の結合の形
三木プーリの表3 の食い違いは資料側の誤りで、サイトの値は直していません。
各社が公開している資料と見比べたもので、各社がこのサイトを確認・推奨しているものではありません。
自動テストで確かめていること
区分がすき間なく続くことと、等級が粗いほど許容差が同じか大きくなることを、自動テストで確かめています。普通幾何公差は、照合した45値との全数比較、表3 の結合を広げた値、規格の附属書A.2・B.2 の例の値もテストにしています。
規格の値ではないもの・未確認のもの
4000 mm を超える寸法や「—」の欄で「個々に指示してください」と案内するのは、このサイトの助言です。規格は表を 4 000 mm で止め、「—」を示すだけです。
実測値の判定で、上限・下限ちょうどを「範囲内」とするのはこのサイトの決め方です(JIS B 0405 に判定の決まりはありません)。幾何公差の測った偏差も、公差域の幅ちょうどを「範囲内」としています。
対称度で区分を選ぶ長さが、2つの形体のどちらの長さかは、JIS B 0419 の 5.2.4 と表3 に書かれていません。このツールは、入れた呼び長さで区分を選びます。
生成AI の使い方
規格票の写しの読み取り・照合と、プログラムの作成は生成AI(Claude)で行いました。表の読み取りは2回、別々に行って比べ、判定はすべて一致しています。公開資料との見比べも生成AI で行い、食い違った値は資料を開き直して確かめました。
自分で確かめるには
規格原文は、日本産業標準調査会(JISC)(新しいタブで開く)の JIS 検索で閲覧できます。このツールの値は、JIS B 0405 の表1・表2・表3 と、JIS B 0419 の表1〜表4で確かめられます。
サイト全体の確かめ方と未確認の項目は、編集方針・データの確認方法にまとめています。
解説・よくある質問
普通公差とは?
図面で寸法ごとに公差(±0.1 など)を書いていない寸法に、まとめて適用する許容差です。JIS B 0405 では、長さ寸法(表1)・面取り部分の長さ寸法(表2)・角度寸法(表3)について、精級 f・中級 m・粗級 c・極粗級 v の4つの等級で決められています。金属の除去加工(削り加工)や板金成形で作る部品の寸法が対象で、金属以外の材料に使ってもよいとされています。
図面にはどう書く?
表題欄の中か、その付近に、規格番号と等級を「JIS B 0405-m」のように書きます(JIS B 0405 の 5. 図面上の指示)。「普通公差 JIS B 0405-m」と書くことも多いです。ISO の図面では「ISO 2768-m」です。
幾何公差(真直度・直角度など)の普通公差は別の規格(JIS B 0419)で、「JIS B 0419-mK」のように長さの等級 m と幾何公差の等級 K を並べて書きます(JIS B 0419 の 6.1)。その値は、このツールの「幾何公差」で確かめられます(幾何公差の普通公差を見る)。
中級 m で 100 mm の普通公差は?
100 mm は「30 を超え 120 以下」の区分で、中級 m は ±0.3 mm。つまり 99.7 〜 100.3 mm です(100 mm で計算)。
同じ 100 mm でも、精級 f なら ±0.15、粗級 c なら ±0.8 mm です。
測った寸法が普通公差に入っているかは?
条件の「実測値(任意)」に測った値を入れると、選んだ等級の範囲内か範囲外かと、上限・下限までの余裕(範囲外なら超えた量)が出ます。図面 50 mm・中級 m の範囲は 49.7 〜 50.3 mm。実測 50.25 mm は範囲内で、上限まで 0.05 mm です(実測 50.25 mm で確かめる)。等級で見ると、m・c・v なら範囲内(f は範囲外)。
上限・下限ちょうどの値は、このツールでは範囲内として扱います。区分は図面の寸法で選び、実測値では選び直さない。測定の誤差も判定に含めていません。角度は、分を 60 で割って小数4桁で入れてください(89°40′ → 89.6667)。
3 mm ちょうどはどの区分?
区分は「〜を超え〜以下」なので、3 mm ちょうどは「0.5 以上 3 以下」に入ります(中級 m で ±0.1 mm)。6・30・120 mm なども同じく、小さい方の区分です。
0.5 mm より小さい寸法は?
0.5 mm 未満の長さ寸法・面取り部分の寸法には普通公差の表を使わず、寸法のあとに許容差を個々に指示します(表1・表2 の注)。また、長さ寸法の表(表1)では、精級 f の 2000 mm を超える寸法と、極粗級 v の 3 mm 以下の寸法に値がありません(「—」)。面取り部分の表(表2)には「—」はなく、極粗級 v の 3 mm 以下も ±0.4 mm です。
面取り(C1)や丸み(R2)の普通公差は?
かどの面取り・かどの丸みの寸法は、長さ寸法とは別の表(表2)を使います。中級 m なら C1 は ±0.2 mm、R5 は ±0.5 mm(C1 で計算)。
かどの丸みではない円弧の半径(R50 など)は、長さ寸法の表(表1)を使います。中級 m の R50 なら ±0.3 mm です。
角度の普通公差は何で決まる?
角度をはさむ2辺のうち、短い方の辺の長さで決まります。例えば中級 m で短い方の辺が 30 mm なら ±0°30′、200 mm なら ±0°10′です(90°・短辺 30 mm で計算)。
角度の数値が書かれていない直角(90°)も、図面に JIS B 0419 の指示がなければ角度寸法の表(表3)の対象です。「JIS B 0419-mK」のように JIS B 0419 も指示されているときは、その直角には JIS B 0405 の角度の普通公差は使わず、JIS B 0419 の直角度の普通公差によります(JIS B 0419:1991 の 6.1)。
JIS B 0419(普通幾何公差)とは?
図面で個々に幾何公差を書いていない形体に、まとめて適用する幾何公差の普通公差です。真直度・平面度(表1)、直角度(表2)、対称度(表3)、円周振れ(表4)について、H・K・L の3つの等級で決まっています。値は公差域の幅で、± は付きません。
例えば等級 K で長い方の辺が 200 mm の面なら、平面度は 0.4 mm(長い方の辺 200 mm で見る)。
「JIS B 0419-mK」「-K」「-E」の読み方は?
「JIS B 0419-mK」の m は長さ寸法の普通公差(JIS B 0405)の等級で、K が普通幾何公差の等級(6.1)。長さ寸法の普通公差を適用しない図面では、m を省いて「JIS B 0419-K」と書きます(6.2)。
末尾の「-E」(例 JIS B 0419-mK-E)は、包絡の条件を付ける指示です(6.3)。このツールでは包絡の条件を扱っていません。
JIS B 0419 を指示した図面では、数値の書かれていない直角(90°)に JIS B 0405 の角度の普通公差を使わず、直角度の普通公差(表2)によります(6.1)。
幾何公差の区分は、どの長さで選ぶ?
特性によって違います。真直度はその線の長さ、平面度は長方形の面なら長い方の辺、円形の面なら直径で選ぶ(5.1.1)。直角度は短い方の辺の長さで選び(表2)、長い方の辺をデータムにします(5.2.3)。
対称度のデータムは、2つの形体のうち長い方です(5.2.4)。区分をどちらの形体の長さで選ぶかは、5.2.4 にも表3 にも書かれていません。円周振れには長さの区分が無く、等級だけで決まります(表4)。
区分は「〜を超え〜以下」なので、短い方の辺が 100 mm ちょうどの直角度は「100 以下」の区分です(等級 H で 0.2 mm。短い方の辺 100 mm で見る)。
真円度・平行度・同軸度の普通公差は?
真円度は直径の寸法公差の値と同じで、表4 の円周振れの普通公差を超えません(5.1.2)。例えば JIS B 0419-mK の φ25 なら、直径の普通公差 ±0.2 mm(公差 0.4 mm)が表4 の K の 0.2 mm より大きいので、真円度は 0.2 mm。
平行度は、寸法公差の値と、平面度・真直度の普通公差の大きいほうです(5.2.2)。例えば JIS B 0419-mK で、厚さ 50 mm(±0.3、公差 0.6 mm)・長い方の辺 200 mm(平面度 0.4 mm)の板なら、平行度は 0.6 mm です。
円筒度・線の輪郭度・面の輪郭度・傾斜度・同軸度・位置度・全振れは、JIS B 0419 の普通公差の対象外です(2. 一般事項)。
ISO 2768 との関係は?
JIS B 0405 は ISO 2768-1(1989年 第1版)を、技術的内容を変更せずに翻訳した規格で、許容差の値は同じです。海外の図面の「ISO 2768-m」も、このツールの中級 m の値で確認できます。
JIS B 0419 も ISO 2768-2(1989年)の翻訳で、値は同じ。「ISO 2768-mK」の K は、このツールの幾何公差の等級 K で確かめられます。
普通公差を使わない寸法は?
JIS B 0405 の適用範囲では、次の寸法は対象外です。ほかの普通公差の規格がある寸法(鋳造品の JIS B 0403 など)、括弧の中に書いた参考寸法、長方形の枠で囲んだ理論的に正しい寸法。
はめあい(H7・g6 など)の公差は?
穴と軸のはめあいの公差は、普通公差とは別の規格(JIS B 0401)で決まっています。はめあい公差のページで、図示サイズと公差クラスから上・下の許容差を出せる。穴と軸を組み合わせれば、すきま・しめしろも分かります。