ねじ・締結
ピンの寸法(平行ピン・ダウエルピン・スプリングピン)
平行ピン(JIS B 1354)・ダウエルピン(JIS B 1355)・スプリングピン(JIS B 2808)の寸法を、呼び径を選んで調べられます。平行ピンは m6・h8 の最小・最大の径と面取り、スプリングピンは外径・厚さ・せん断強さと取付孔を出し、推奨する長さも表で見られます。
- JIS B 1354:2012
- JIS B 1355:2012
- JIS B 2808:2013
- JIS B 0401-2:2016
条件
0.6〜50 mm の20サイズです。
寸法
平行ピン 呼び径 d(公差域クラス m6)の最小〜最大
6.004〜6.012mm
呼び径 6 mm の m6 は、上の許容差 +0.012 mm・下の許容差 +0.004 mm です。
JIS B 0401-2:2016(製品の幾何特性仕様(GPS)―長さに関わるサイズ公差のISOコード方式―第2部:穴及び軸の許容差並びに基本サイズ公差クラスの表) 表25(m6) の値
計算ロジック
呼び径に m6 の上・下の許容差を足して、上・下の許容サイズ(最大・最小)を出しています。
最大 = 6 + (+0.012) = 6.012 mm
最小 = 6 + (+0.004) = 6.004 mm
m6・h8 の値は JIS B 0401-2 によります(表1 の注 a))。受渡当事者間の協定があれば、ほかの公差域クラスも使えます。JIS B 0401 では、公差域クラスを公差クラスと呼んでいます。
B 1354 表1・呼び径 6
- 面取り c(約)
- 1.2mm
- 推奨する呼び長さ l
- 12〜60mm
推奨する呼び長さは、表1 の太線で囲んだ範囲です。
JIS B 1354:2012(平行ピン) 表1 平行ピンの形状・寸法 準拠
長さ
呼び径 6 の推奨する範囲(12〜60 mm)にある呼び長さと、その最小・最大です。単位は mm です。
| 呼び長さ l | 最小〜最大 |
|---|---|
| 12 | 11.5〜12.5 |
| 14 | 13.5〜14.5 |
| 16 | 15.5〜16.5 |
| 18 | 17.5〜18.5 |
| 20 | 19.5〜20.5 |
| 22 | 21.5〜22.5 |
| 24 | 23.5〜24.5 |
| 26 | 25.5〜26.5 |
| 28 | 27.5〜28.5 |
| 30 | 29.5〜30.5 |
| 32 | 31.5〜32.5 |
| 35 | 34.5〜35.5 |
| 40 | 39.5〜40.5 |
| 45 | 44.5〜45.5 |
| 50 | 49.5〜50.5 |
| 55 | 54.25〜55.75 |
| 60 | 59.25〜60.75 |
表1 の呼び長さは 2〜200 mm まで載っています。注 b) は「200 mm を超える呼び長さは、20 mm とびとする。」です。
JIS B 1354:2012(平行ピン) 表1(呼び長さ・注 b)) 準拠
材料・呼び方
材料・硬さ(表2 平行ピンの製品仕様)
- 鋼(St)
- 125HV30〜245 HV30
- 硬化処理を施さないピン
- 鋼(St)
- 255HV30〜327HV30
- 焼入焼戻しを施すピン(呼び方に Q)。JIS G 4051 の S43C〜S50C
- オーステナイト系ステンレス鋼(A1)
- 210HV30〜280 HV30
- JIS B 1054-1 の A1
- 表面粗さ(m6)
- Ra≦0.8μm
表2 の注 a) は「受渡当事者間の協定によって、他の材料を使用することができる。」です。
製品の呼び方(6)
- 規定
- 製品の呼び方は、JIS B 1010 によります。
- 例1(呼び径d=6 mm、公差域クラスm6で、呼び長さl=30 mmの硬化処理を施さない鋼製)
- 平行ピンJIS B 1354−ISO 2338−6 m6×30−St
- 例2(呼び径d=6 mm、公差域クラスm6で、呼び長さl=30 mmの焼入焼戻しを施したS45C鋼製)
- 平行ピンJIS B 1354−6 m6×30−St−S45C−Q
- 例3(呼び径d=6 mm、公差域クラスm6で、呼び長さl=30 mmの硬化処理を施さない鋼種区分A1オーステナイト系ステンレス鋼製)
- 平行ピンJIS B 1354−ISO 2338−6 m6×30−A1
JIS B 1354:2012(平行ピン) 表2・6 製品の呼び方 準拠
2012年版の JIS B 1354 には、A種・B種の区分はありません。
05全サイズの表(平行ピン)
呼び径 0.6〜50 の20サイズ。行を押すと選べます
単位は mm です。推奨する呼び長さの ※ は、上限が表1 の呼び長さの最後の値(200 mm)と同じ行です。これより長い呼び長さが推奨に入るかは、表からは読み取れません。
| 呼び径 d(m6・h8) | 面取り c(約) | 推奨する呼び長さ l |
|---|---|---|
| 0.6 | 0.12 | 2〜6 |
| 0.8 | 0.16 | 2〜8 |
| 1 | 0.2 | 4〜10 |
| 1.2 | 0.25 | 4〜12 |
| 1.5 | 0.3 | 4〜16 |
| 2 | 0.35 | 6〜20 |
| 2.5 | 0.4 | 6〜24 |
| 3 | 0.5 | 8〜30 |
| 4 | 0.63 | 8〜40 |
| 5 | 0.8 | 10〜50 |
| 6(選択中) | 1.2 | 12〜60 |
| 8 | 1.6 | 14〜80 |
| 10 | 2 | 18〜95 |
| 12 | 2.5 | 22〜140 |
| 16 | 3 | 26〜180 |
| 20 | 3.5 | 35〜200※ |
| 25 | 4 | 50〜200※ |
| 30 | 5 | 60〜200※ |
| 40 | 6.3 | 80〜200※ |
| 50 | 8 | 95〜200※ |
JIS B 1354:2012(平行ピン) 表1 平行ピンの形状・寸法 準拠
寸法表を一覧で見る
解説・よくある質問
平行ピンとダウエルピンは、規格でどう違う?
平行ピン(JIS B 1354)は呼び径 0.6〜50 mm の鋼製とオーステナイト系ステンレス鋼製で、公差域クラスは m6 と h8 を使います。
ダウエルピン(JIS B 1355)は呼び径 1〜20 mm の、硬化処理を施した鋼製とマルテンサイト系ステンレス鋼製です。公差域クラスは m6 だけで、表1 の呼び長さは 100 mm まで載っています。
平行ピンの A種・B種は?
2012年版の JIS B 1354 には、A種・B種の区分はありません。径の公差は、公差域クラス m6 か h8 で指定します。表1 の注 a) により、受渡当事者間の協定があれば、ほかの公差域クラスも使えます。
ノックピン・ロールピンは JIS の名前?
どちらも、このツールで扱う JIS B 1354(平行ピン)・JIS B 1355(ダウエルピン)・JIS B 2808(スプリングピン)の規格の名称ではありません。
スプリングピンの取付孔の径は?
取付孔の直径はスプリングピンの呼び径と同じで、寸法公差は H12(JIS B 0401-1)です(5.2)。
H12 の寸法許容差の数値は、JIS B 0401-1 の表で確かめてください。
溝付き軽荷重用(表7)の上段と下段は?
表7 の呼び径 1〜10 は、外径 d1 とせん断強さが2段で載っています。注 a) によると、せん断強さの上段は ISO 13337 の値(参考値)、下段は JIS の値です。このツールは下段を出し、上段は参考値として添えています。
呼び径 3.5・4.5・8・10 は上段だけに値があり、下段は「—」です。この呼び径の規定のせん断強さは、表からは読み取れません。
表の長さより長いピンは?
平行ピンは 200 mm、ダウエルピンは 100 mm を超える呼び長さを 20 mm とびとします(表1 の注 b))。スプリングピンで表ごとの上限(表5・表7・表8・表9 は 200 mm、表6 は 140 mm、表10 は 120 mm)を超える長さは、受渡当事者間の協定です(各表の注 b))。
この数値の確かめ方
平行ピン(JIS B 1354:2012)・ダウエルピン(JIS B 1355:2012)の表1・表2 と、スプリングピン(JIS B 2808:2013)の表1〜表10 は、規格票の表と照合して一致しました(2026年11月)。ピンメーカーやばねメーカーなどが公開している資料とも見比べ、サイトの値の誤りは見つかっていません。
ページの更新日
照合の中身を見る
規格票の表との照合
規格票の表を2回、別々に読み取って突き合わせました。比べたのは、寸法表の値1,316個、長さの欄798個、印刷どおりの文字列1,267個と、製品仕様・注・呼び方の37項目です。食い違いは0件でした。
推奨する呼び長さ・長さの範囲は、表の数値ではなく太線と ○ の位置から読んだものです。平行ピン・ダウエルピンの全列と、スプリングピンの表7・表9 は、拡大して読み直しても同じ範囲でした。
規格票の表は2回、別々に読み取って比べ、判定はすべて一致しています。このツールの値は、JISC の JIS 検索や購入した規格票ではまだ照らし合わせていません。照合に使った資料と、JISC の JIS 検索で抜き取って確かめた範囲は、編集方針に書いています。
メーカー・業界団体の資料との見比べ(2026年11月8日)
JIS B 1354(平行ピン): 一致(規格一覧サイトの表に、d=40 の m6 の最大を 30.025 とする資料側の誤り1欄)
販売店のサイトにあるピンメーカー2社の製品ページ(旧版の1988年版に準拠と表示)、海外の規格一覧サイト(1988年版)
見比べた範囲: 面取り c(約)を、2012年版にある呼び径で資料ごとに比べた(15・16・20呼び径)。1社のページの呼び長さの許容差と、規格一覧サイトの m6・h8 の上下限も見比べた
JIS B 2808(スプリングピン): 一致(製品ページの呼び径6 のせん断強さ 13.96 kN と、呼び径4・6 の厚さは2013年版と違う。どれも旧版に基づく資料なので、誤りとは数えない)
販売店のサイトにあるピンメーカー2社の軽荷重用の製品ページ、ばねメーカーのカタログ(1999年版の一般荷重用)
見比べた範囲: カタログは表6(一般荷重用)の14呼び径の外径の最大・最小・厚さ・せん断強さ(56値)と長さの許容差の区切り。製品ページは表7 の下段の外径(2社で11呼び径と5呼び径)・せん断強さ・厚さ
見比べた資料は、どれも旧版(1988年版の JIS B 1354、1999年版の JIS B 2808 など)に基づくものです。一致は裏付けの1つとし、2012・2013年版の値を決める根拠には使っていません。
見比べたのはメーカーや業界団体などが公開している資料で、発行元の名前は載せていません。発行元がこのサイトを確認・推奨しているものではありません。
自動テストで確かめていること
- 照合した印刷どおりの文字(JIS B 1354・B 1355 の表1、JIS B 2808 の表5〜表10 の寸法・せん断強さ・長さ・注)と、サイトのデータが全欄で同じこと
- 平行ピン・ダウエルピンの呼び長さの最小・最大が、10 mm 以下は ±0.25、12〜50 mm は ±0.5、55 mm 以上は ±0.75 であること
- 推奨する長さの両端が、その表の長さの並びの中にあること
- 平行ピンの全呼び径(0.6〜50 mm)で、m6・h8 の寸法許容差が JIS B 0401-2 のデータから引けること
規格の値ではないもの・未確認のもの
m6・h8 の寸法許容差は、ピンの規格の表には数値がありません。表1 の注 a) のとおり JIS B 0401-2 によるので、このサイトのはめあいのデータ(JIS B 0401-2:2016)から出しています。スプリングピンの取付孔の H12 は、そのデータに無いので数値を出していません。
表7(溝付き軽荷重用)の d1 は2組あり、下の組を JIS の径、上の組を ISO 13337 の径としました。下の組だけに JIS で変えた所の印があるためです。上の組が規定か参考かは、表からは決まりません。呼び径 3.5・4.5・8・10 は、せん断強さが上段(ISO 13337 の値。参考値)にしか無く、規定の値は表から読み取れません。
表7 の続き(呼び径 12〜50)のせん断強さは1段だけで、その頁の注には「上段は参考値」の文がありません。規定の値として出しています。
平行ピンの呼び径 20〜50 とダウエルピンの呼び径 10〜20 は、推奨する範囲の上限を、表の最後の長さ(200 mm と 100 mm)にしました。それより長い呼び長さが推奨の範囲に入るかは、表からは読み取れません。
年版は、照合した規格票の 2012年版(JIS B 1354・B 1355)と 2013年版(JIS B 2808)です。JIS B 1354 は、2026年10月に日本規格協会の書誌で 2012年版が現行と確かめています。JIS B 1355・B 2808 は、現行の年版か、追補・正誤票があるかを確かめていません。
図は記号の位置を示す模式図で、規格票の図をそのまま載せたものではありません。
自分で確かめるには
このツールの値は、JIS B 1354・B 1355 の表1・表2、JIS B 2808 の表1〜表10で確かめられます。規格原文を読める所は、下の参照規格の欄にあります。
サイト全体の確かめ方と未確認の項目は、編集方針・データの確認方法にまとめています。